株式会社わくわくスタディワールド

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平成24年春期情報処理技術者試験の分析あれこれ

合格発表も終わり,統計情報も更新されたので,いろいろ分析してみました。
プレス発表 平成24年度春期情報処理技術者試験(応用情報技術者試験、高度試験)の合格発表について」によると,応用情報技術者及び高度各区分の合格率は,以下のとおりです。

  応用情報技術者            22.7%
  プロジェクトマネージャ        13.1%
  データベーススペシャリスト      16.1%
  エンベデッドシステムスペシャリスト  16.1%
  情報セキュリティスペシャリスト    13.7%
  システム監査             14.6%

比較すると,プロジェクトマネージャと情報セキュリティスペシャリストが,結構低いですね。
ただ,プロジェクトマネージャは,去年も13.3%ですし,22年は12.9%,これぐらいが平均だとは思います。
情報セキュリティスペシャリストは,21年秋には18.5%の合格率で,かなり高めだったのですが,その後どんどん下がって,直近だと,23年特別が13.9%,23年秋が13.5%と,13%台が平均という感じではあります。
個人的な感覚だと,平成23年以降は,情報セキュリティスペシャリストは少し難化していて,他の高度区分に近くなってきているのかな,とは思ってます。
受験者層の違いを意識するのには,同じ問題を使っている,応用情報技術者午前,高度共通午前1の突破率を見てみるとわかりやすいです。それぞれの試験区分の,午前または午前1の突破率を,「統計情報 得点(評価ランク)分布」より計算してみると,以下のとおりです。

  応用情報技術者            53.0%
  プロジェクトマネージャ        55.4%
  データベーススペシャリスト      66.4%
  エンベデッドシステムスペシャリスト  67.6%
  情報セキュリティスペシャリスト    57.1%
  システム監査             64.7%

こうやって見ると,合格率が低いプロマネとセキュリティが,午前1の突破率も低いです。
合格率の差は,この午前1の影響も大きいのかな,とは思います。
プロジェクトマネージャに関しては,今回分析していて,ちょっと気になったのが,午後2の「D」判定の多さです。
平成24年春期の「プロジェクトマネージャ試験 得点分布・評価ランク分布(PDF)」を見ると,午後2のD判定が627名,採点された人全体の15.3%もいます。
システム監査だと,同じ平成24年春期の「システム監査試験 得点分布・評価ランク分布(PDF)」だと71名で7.0%で,半分以下です。
論述式の試験の場合,基本的に題意に沿って体裁を整えていれば,D判定は出ないので,論文の書き方を知らずに受けている人が,プロマネだと結構多いのかなぁ,という印象を受けました。
情報処理技術者試験の場合,全体の合格率は結構低いですが,午前1,午前2,午後1,午後2と,1つ1つの区分で考えていくと,半分ぐらいは突破できます。
ですので,どこかを完璧にする,というより全部の対策をまんべんなく行っていく必要があります。
出題内容や形式をちゃんと把握して,次の試験に臨んでいきましょう。