株式会社わくわくスタディワールド

株式会社わくわくスタディワールド

答えが,“わからない” から “わかる” の間にあるもの

わく☆すた,けんけんです。

NWの受験生時代にショックだった出来事があります。前回,合格した人とお話をしていて,何かのネットワーク用語の話題になり,その人は,その用語の正式名から仕組みまで一言で,さらっと説明したのでした。
これにショックを受けました。「ここまでわかってないよ~」とか,「自分はだめだ」とか,結構ネガティブな感情が出てきたのを覚えています。

また,「これなら合格しても当然だよなぁ」とも思えました。その用語についての問題が出れば,答えが“わかる”のですから。
この,“わからない” から “わかる”の間にあるものを,今日は考えてみます。
結論から言うと,以下の3つだと思います。

  1.読解力
  2.自分の中のフィルタ
  3.知識

上の例に該当するのは,「3.知識」です。これは覚えているかいないかの問題です。
以前は,知っていないからダメなんだと思っていましたが,今では,知識は3番目です。知識より大事な事が2つもあることに気がつきました。それは,上に書いているとおり,「読解力」と「自分の中のフィルタ」です。

情報処理技術者試験は,文章問題を読み,設問の答えを導き出す試験です。ですので,「文章が読めること」そして,「怪しい部分を見つけ出すこと」の2つのスキルが必要です。これが,「1.」と「2.」に相当します。

答えが“わかる”ことは,問題を読んで,設問を読んで,その問にこたえられるかどうかですよね。ですから,まず,「問題をちゃんと読めること」が大前提になります。特に,データベーススペシャリストや,情報セキュリティスペシャリストなどは,問題をちゃんと読んでいないと,合格できません。データベーススペシャリストの場合は,データベース設計の要件定義をしっかり把握する必要がありますし,情報セキュリティスペシャリストは,事例の会社のポリシーや方針をベースに考える必要があるからです。

次に,問題を読みながら,突っ込みを入れられるかどうかが大事です。「あ~,S君,そんなことやっちゃだめだよ~」と問題を読んで心の叫びが起こる人は合格しやすいです。と言うのは,自分の中のフィルタ・・・定石を多く持っており,それから外れる記述があると,頭の中にアラームが鳴るのです。(試験問題用アノマリ型IPSが頭の中にあるって感じでしょうか。^^;) こうやって,突っ込みをが入る部分が設問になっていることが多いのです。

そして,最後に「3.知識」です。上の例の続きで,「自分がS君だったら,こうするのに」と,解決策を知識として知っていれば,“わかる”に繋がります。知識だけあっても,問題文に即した答えでないと,“わかった”ことにはなりません。
と言うわけで,知識だけあれば合格するってわけじゃありません。3つのことを言い換えると,

  1.ちゃんと話しを聞く
  2.「これっておかしいかも?」と言う,自分の考えを持つ
  3.おかしいことに反論する知識を持つ

これは,人とのコミュニケーションと言うか,議論する時のベースになることに相当すると思います。日本人は,もともと議論が苦手なので,情報処理技術者試験も合格率がそれなりなのかもしれません。ただ,人とコミュニケーションをとるより,問題文とコミュニケーションをとる方が,敷居は低いと思います。

すなわち,問題文と上手くコミュニケーションがとれると,“わからない”が“わかる”になるのです。