株式会社わくわくスタディワールド

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資格の使い方を考える

シスコ社が認定するCCNA,CCNPなどの資格に,新たに「CCNA Data Center」と「CCNP Data Center」という,データセンタに特化した資格が加わったそうです。
データセンターでは,ネットワーク,ストレージ,コンピューティングの各要素を仮想化して統合するアプローチをとるということで,アーキテクチャ全般にわたる知識を問う試験となっているそうです。

全体的な知識や,仮想化などをしっかり学習したい人には,向いていそうな試験です。
個人的には,今年はネットワーク関連の知識をリニューアルするために,シスコ関連の資格をいくつか取得していきたいと考えています。

ベンダー資格は,実践的な知識や,新しい製品に関する知識を身につけるのには向いていると感じています。
ただ,ベンダー系は各ベンダーの力量や資格試験の位置づけによって質がまちまちなので,どれでも役に立つというわけではありません。その中でも,私はシスコ社が実施するネットワーク関連の試験は,かなり質が高い試験だと感じています。

資格試験を受けるときの目的としては,大きく次の2つに分けられると思います。

1.資格試験の勉強で学ぶ内容を身につける
2.資格試験を取得することで,社会的・経済的に利益を得る

1の,学んだ内容を身につけるという意味では,資格の質というのは結構大切です。単なる暗記だけで合格できたり,受かったらすぐ忘れてその後に役に立たないというのでは,あまり意味がないからです。
そういう意味では,情報処理技術者試験はかなりよくできた試験だと感じています。

ベンダー試験の場合も,勉強することでスキルが上がる実感があるものも結構いろいろあります。
個人的には,昔のSJC-P(Sun認定Javaプログラマ,今のOCJ-P(Oracle認定Javaプログラマ))の勉強は,かなりためになりました。参考書が良かったというのもありますが,単にプログラムを組んでいるだけではわからない,Javaの仕組みなどがよく分かって面白かったです。


そして,2の目的で資格を活用する時には,使い方を考えて試験を受ける必要があります。
@IT自分戦略研究所に,「32歳、IT業界への挑戦_6-応用情報技術者」という記事がありました。

無職で業界未経験の32歳の方が,応用情報技術者試験に合格して就職活動を行う話です。
会社にもよると思いますが,未経験の方の応募でも,応用情報技術者試験に合格していれば,書類選考は通るところが多いと思います。

新人や転職者も含め,未経験の方がIT系の企業に就職するときに客観的に役立つものとしては,「プログラムを作って公開した経験」と「それなりの難易度の資格」の2つだと思います。

プログラミングは人によって適性に差があるので,新人でまったくプログラミングに向いていない人が入社してきた場合には,会社の方が苦労します。
そのため,事前に面接などを行うのですが,その時に,「プログラミングに自分は向いている」ことが示せる材料があれば安心です。

実際にプログラムを作って公開した経験があれば,それを示すのが一番です。
無料のiPhoneアプリを作って公開するなどは,結構手っ取り早くっていいかもしれません。
昔勤めていた企業で,「文系学部で留年しているんだけどフリーソフトをホームページで公開している」という学生が入社してきたことがありました。

そして,基本情報技術者試験は,ある程度「プログラマの適性試験」的なところがあるので,IT企業だと評価するところも多いです。
応用情報技術者試験はその上,という認識なので,さらに評価されると思います。

何より,プログラムの公開にしても試験の合格にしても,「最後(公開や合格)まで到達できた」ということは評価されます。
趣味のプログラムの場合,最後まで仕上げるのにはかなり意志の力が必要ですし,それは実務にも生きてきます。
資格試験の場合も,合格するまで継続的に勉強することは,コツコツ仕事ができることにも通じてきます。


来週から,春の情報処理技術者試験の申込が始まります。
身につけたい知識,使いたい資格を考えながら,受ける試験区分を決めていきましょう。