株式会社わくわくスタディワールド

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ITストラテジスト合格体験記:らっこさん

最近,すごく感じているですが,家庭を持って両立して忙しく働いている人の方が,そうでない人より試験に受かりやすいように思います。
時間がたっぷりあるとしっかり勉強できそうな気がするのですが,意外とそんなことはなく,余裕があると遊んでしまうことも多いです。

時間のない中でやりくりというのは,マネジメント能力も磨かれますし,特に高度論文系の場合には効果を発揮します。
家庭を持つとパートナーや子供,親戚など,意見の合わない人とのやりとりも増えてきますし,わかりやすく人に説明する能力も,磨かれるように感じています。

今回は,仕事をして子育ても地域活動でも頑張ってという,そんな時間がない中で3区分目の高度区分に合格されたらっこさんです。

らっこさんには,「情報セキュリティスペシャリスト合格体験記:らっこさん」「プロジェクトマネージャ合格体験記:らっこさん」の合格体験記もいただいています。

以下,合格体験記です。

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【基本情報】

氏名: らっこ
年齢: 42歳
    共働き・2児の母
    小学校PTAの学年団長として,バザーでうどんの模擬店(うどん県だから?),学年団の行事主催,毎月の役員会等,開き直って楽しんでます。

ITストラテジスト受験: 1回目
点数:
 午前1 免除
 午前2 80.00点
 午後1 77点(問1,問3を選択)
 午後2 A(問2を選択)

受験時点の資格取得状況:
 平成21年春  基本情報技術者
 平成22年秋  応用情報技術者
 平成23年特別 情報セキュリティスペシャリスト
 平成24年春  プロジェクトマネージャ


【使った本・文房具】

1.「情報処理試験ITストラテジスト 誰も教えてくれなかった午後1対策」電子書籍(PDF販売)
わく☆すた でも紹介されている,広田航二先生のテキストです。
プロジェクトマージャの午後1の点数が期待した程伸びなかったため,購入しました。
購入した電子書籍は印刷できませんが,後ほど印刷できるPDFを送付してもらえます。(著者の先生の独自サービスです。)

2.「ITストラテジスト午後2最速の論文対策
プロジェクトマネージャに引き続き,ITストラテジストでも購入。事前に論文を書き上げない分,プロマネ用のも読み直しました。

3.「ITストラテジスト合格論文の書き方・事例集
掲載論文から気に入ったものを書き写し,2時間の手書きに耐えられるように「手」の練習をしました。


4.「情報処理教科書 [秋期]高度試験午前I・II 2012年版
午前2問題の対策として購入。午前対策としては,これだけで十分でした。


5.「情報カード」 B6サイズ
罫線が入って書きやすく,ファイルで綴じられるように穴が開いている用紙を選んでいます。
これに間違いやすい用語と,その意味を書き込みます。用語の意味は,午前2の問題文をそのまま使用します。

 例)
  BABOK:(A Guide to the Business Analysis Body of Knowledge)
     ビジネスアナリシスの計画とモニタリング,引き出し,要求アナリシス,
     基礎コンピテンシなど七つの知識エリアからなる知識体系

ついでに,PMBOK等,類似の言葉と意味も書き込んでおきます。
これを隙間時間に,ぱらぱらと読み流すようにしています。一度では覚えきれなくても,何度も読んでいるうちに覚えてきます。


6.「まんがで気軽に経営用語
息抜きに。その名の通り,気軽に用語が覚えられます。


【当日の試験の感想】

午前1:
免除です。
午前1を苦手としていますので,応用情報に合格してから午前1免除特典をフルに活用し,リスク回避しています。

午前2:
見覚えのある問題ちらほら。初見の「クロスセリング」や「コンジョイント」も勘が当たっていたため,8割得点できました。
ストラテジストならではの用語も多いですが,勉強してると「ちょっと経営層っぽい?」と錯覚できます。(^_^;)

午後1:
初めて午後1で時間が足りなくなり,焦りました。
問1・・「メリット」と「その理由」を書くのですが,これは「メリット」?それとも「理由」?と,ぐるぐる考えているうちに残り40分に。
慌てて問2を選択。が,すらすら書けそうにない。
ということで,思い切って問3に切り替えました。残り30分ちょっと。もう深読みする時間などなく,国語の問題と思って解きました。
簡単そうに見える問題こそ要注意,と身にしみました。

午後2:
自分にとって身近なテーマの,問2「事業継続計画」を選択しました。
設問にあるように,「既に策定済みであった事業継続計画を東日本大震災をきっかけに見直し」という視点で書き,具体例が思い浮かばなくて書けない内容については,「書く必要がないため書いていない」とアピールする文を入れました。
例えば,「基本方針については今回変更せず」として,基本方針の内容には触れない等です。
実効性を高めるために工夫した点としては,「従業員安否確認システムの導入」を挙げました。
データや設備だけ守っても,人がいないとシステムは動かないから~と記述していきました。
書きながらも,ストラテジストとしてはもっと上位の視点が必要なのではないか,との思いが頭から離れず,論文はB判定,あるいはC判定を覚悟していました。


【これから受ける人へ】

「楽々勉強のススメ」
まとまった時間を確保しにくいこともあって,ちょこちょこと勉強しているのですが,もっと時間があった頃より合格している!?
ということで調べてみると,記憶や脳の仕組みにヒントがありそうです。

「午前は短時間ずつ。繰り返して」
まとまった時間は取れなくても,5分程度の隙間時間なら結構確保できます。
1問でも2問でもいいので,問題を解く → 解答解説を読む を繰り返します。
間違えた問題は,覚えようとがんばらずに淡々と繰り返します。何度もやってると,そのうち覚えてきます。

「寝ながら脳に考えてもらう」
さっと解ける問題には,このやり方は不要です。悩んでしまうような問題で試してください。
寝る前に,午後の問題・設問をじっくり読みます。そして・・・そのまま寝てしまいます。
翌日になると,さらっと解けたりするんです。

これには根拠があり,脳の研究をしている池谷裕二先生の話(ほぼ日の睡眠論「ねむりと記憶」)で,難しい問題を下記の3グループに分けて考えてもらったというのがあります。
第5回 悪夢が我々にくれるもの。 参照)

●Aグループ
 朝に問題を見せて,8時間考えて,8時間後に答えてもらう。

●Bグループ
 夜に問題を見せて,8時間睡眠をとって,朝に答えてもらう。

●Cグループ
 夜に問題を見せて,朝答えるが,徹夜で8時間考えてもらう。

すると,A・Cグループの正答率が20%だったのに,Bグループの正答率は60%だったというのです。

これは,寝ている間に脳が情報整理をしてくれるからだそうです。
ちなみに,眠らなくても情報をシャットアウトする(暗く静かにして,じっとしている)だけでも,同じ効果があるそうです。
それなら,眠れなくても焦る必要はありませんね。(*^_^*)

あと,記憶の定着のためには,「覚えたらすぐ寝る」「翌朝,もう一度見る」のも,効果的です。

睡眠時間を削ってつらい勉強をするより,肩の力を抜いて楽々勉強してみませんか。(^o^)/


「おまけの『これでも合格した論文の書き方』」

きれいに書くのが良いのはもちろんですが,それにこだわりすぎて時間がなくなるより,とにかく書ききってしまいましょう。
下記の4点は,合格実績ありです。

・漢字が思い出せなかったので,カタカナで書いた
・消しゴムで消している時間がなかったので,二重線を引いて消した
・書き直したらマスが足りなかったので,1マスに複数文字を書いた
・書き直したらマスが余ったので,空白のままにした

論文は,素晴らしい内容を書くことは求められておらず,聞かれた通りに,自分の使い慣れた言葉で書けば十分です。
模範論文が素晴らしすぎて,「こんなの書けない」と思いがちですが,あの論文は別格の特Aランクだと思っておけばよいです。