株式会社わくわくスタディワールド

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勉強のやり方はひとつじゃない

Perlのスローガンに,TMTOWTDI (There's more than one way to do it:やり方はひとつじゃない)という言葉があります。
一つのことをやるときに,いろんな方法でやれるように,多様性を何よりも認めるという精神です。
Rubyも,その精神を引き継いでいて,同じことをするにしても,やり方がいろいろあります。

新しいことを取り入れるときに,「これでないとダメ」「これ1つだけが正しい」ということがあると,柔軟に対応しづらくなります。
古いものも残しつつ,新しいやり方を積極的に取り入れていくときには,TMTOWTDIはとても役に立ちます。

最近久しぶりにPerlを学び直しているのですが,10年前と今とでは全然違う,というぐらい,新しいことがいっぱい取り込まれています。他の言語で良さそうな仕組みができると,それを取り込んで進化していっています。
こういうのを改めて学ぶと,Perlもまだまだ終わっていないな,と感じます。

ということで,言語だけでなく,勉強をやるときにも,多様性を取り入れてみるのはおすすめです。
何かを学ぶ時に,「こうしなければならない」とある特定のやり方を思い込んでいる人は多いのですが,それは大概,学校教育でそうだったから,という思い込みだったりします。

例えば,「教科書を使って授業を聴いて,それを全部理解してから,練習問題を解く」というのは,学校教育の王道です。
企業研修などでもこのパターンにのっとって行われることも多いのですが,これがベストな選択肢とは限りません。

最近の学校の授業では,先に「問題」を示してそれを解決していくという問題解決型の学習もよく行われているそうです。
最初に,「なぜ,こんな風になるのかな?」という疑問を示しておいて,それについて調べたり,順に考えていくことで結論を出すやり方です。

これは,大人になってからの勉強にも活かせます。
実際,MBAの授業では,ケーススタディということで良く行われている形式です。

こういう授業は,何人か集まって,集団で行うと,いろいろな視点に気づけて,相乗効果が得られます。
ただ,一人でも,問題解決型の勉強をすることは可能です。

具体的には,試験問題を題材に,「なぜこの問題が出題されているのか」といった意図を読み取ったり,試験問題について分からないことを調べて学習したり,いろんな解説を見比べて自分が一番納得がいく解答法を導き出していく,といった学習です。
過去問を1問,「ここまで調べれば完璧」というぐらいにやりこむのです。

イメージ的には,「夏休みの自由研究:ネットワークスペシャリスト平成24年秋午後2問1について」みたいな感じで,1問について徹底的に調べる感じになります。
具体的な成果の例だと,「ネスぺ23 本物のネットワークスペシャリストになるための最も詳しい過去問解説と合格のコツ」のような感じで,問題文に1つ1つ丁寧に解説をつける形です。

興味を持ったことを掘り下げて調べることが好きな人には,この方法はとても効果があると思います。
かといって,「自由研究」と言われても,何をやるのかわからない,と戸惑う人には,それほど効果が期待できません。

そういった場合には,地道に3回分の過去問を解いて解説と突き合わせたり,過去問解説の講義やDVDを聴いたりといった勉強なら確実です。地道に積み重ねていくことが好きな人には,コツコツと数をこなしていく勉強は向いていると思います。

ゴールとして,ネットワークスペシャリストの考え方やスキルを身につけるということでしたら,上の2つの方法は,どちらも効果的です。
自分がやりたい方,続けられる方を選んで勉強すれば,どちらでも同じゴールにたどりつけると思います。

学校の勉強では,先生に「勉強のやり方」も合わせて教わることが多かったと思います。
でも,それが向いているかどうかは人それぞれですし,学校は集合教育なので,人に合わせるというよりも,「大人数に教えやすい」やり方で進行していきます。
大人になってからの勉強は,自分が気持ちいいと思うやり方で行った方が効果的です。

試行錯誤を繰り返していくと,自分に合った勉強のやり方というのは見えてくると思います。
「この方法で学ばないとダメ」ということにとらわれず,快適に勉強できる方法を続けていきましょう。