株式会社わくわくスタディワールド

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今秋の試験で出てくる新しい内容

昨日,秋葉原のアトレで,高級鉛筆削りが安売りされていたので,思わず買ってしまいました。
こんな感じの,机の上に置いておくと映える感じのものです。

鉛筆削り

これを買った目的は,もちろん,試験日の試験会場への持参です。
「鉛筆削り」は机上に置くことが可能ですので,これをドーンと机に置いておくと,なんか試験が楽しくなりそうです。
特に,論述式の試験は鉛筆の減りが激しいので,軽く削れるというのは心強いです。

というところで,今日は今回の秋試験に新しく試験範囲になったことで出てきそうな,新しい内容について少し紹介します。

現在,応用情報技術者教科書の改訂をしているのですが,そこで改めて,「章立てから大幅に変わっているので,目次や項目名まで変えなければならない分野」があることに気づきました。
春のシラバス改訂により,一部の分野で,内容が大きく変更されています。
この変更は秋試験から適用ですが,私のものも含めて参考書の改訂は間に合わないので,ここで変更点について紹介しておきます。

特に大きく変わっているのは,マネジメント系の「プロジェクトマネジメント」と「サービスマネジメント」と,テクノロジ系の「システム開発技術」の3分野です。
この3つの分野は,新しい標準に合わせての改訂です。
具体的には,次の3つの標準改正への対応になります。


  • ソフトウェアライフサイクルプロセス分野のJIS改正(JIS X 0160:2012)及びそれに基づく共通フレーム改訂(SLCP-JCF 2013)2 との整合

  • サービスマネジメント分野のJIS改正(JIS Q 20000-1:2012)との整合

  • プロジェクトマネジメント分野の国際標準規格(ISO 21500、2012年発行)との整合

この3つは,実は密接にからみあっています。
共通フレーム2013で大きく追加された項目は,サービスマネジメントプロセスやプロジェクトマネジメントプロセスが多いです。
具体的な変更点は,IPAの「共通フレーム2013概説」を見ていただけるとわかりやすいと思います。

共通フレーム2013で追加された新しいプロセスは,次の8つです。


  • プロジェクトポートフォリオ管理プロセス

  • 品質管理プロセス

  • 意思決定プロセス

  • リスク管理プロセス

  • 構成管理プロセス

  • 情報管理プロセス

  • 利害関係者要求定義プロセス(要件定義プロセス)

  • 実装プロセス

共通フレーム2007では,おもに業務システムが完成して,お客さんがシステムを取得するまでのプロセスを中心に記述されていました。
共通フレーム2013になって,取得後の運用サービスを中心とした後工程についてもしっかり記述されています。
経営者は,システム取得を一過性の投資としてIT部門に任せるのではなく,事業の発展に合わせてシステムを育てるという見方をすることが重要になってくる,ということです。

そのため,JIS Q20000をもとにして,サービスマネジメントプロセスが作成されています。

その他のプロセスも,細かく名前が変更されたり,対応範囲が変わったりしています。
もともと,全部覚える必要があるものではありませんが,「改定のポイント」ぐらいを押さえておくと,新しく共通フレーム2013の問題が出ても対処しやすいと思います。

そして,サービスマネジメント分野の改訂,というのは,そのJIS Q20000の改正に伴う改訂です。
章立て自体が,従来のITIL V2ベースの「サービスサポート」「サービスデリバリ」ではなく,ITIL V3ベースでの「サービスの設計・移行」「サービスマネジメントプロセス」「サービスの運用」といった形に変更されています。

シラバスの改訂度合から考えると,新しい標準に完全に対応した問題になると予想されます。
未だに,「サービスサポートは,サービスデスクとインシデント管理と問題管理と・・・」みたいな感じで,古い用語で覚えているだけの人は,一度改訂内容について確認しておくことをおすすめします。

この,サービスマネジメントの細かい点については,ITサービスマネージャ試験対策も兼ねて,試験前にまた改めて紹介できればと考えています。

プロジェクトマネジメントについては,ISO21500との整合がテーマですね。
ISO21500は,プロジェクト管理の枠組みを標準化したもので,PMBOKやICBなど独自に作成されたプロジェクトマネジメントのフレームワークを総括するものです。
プロジェクトマネジメント分野の改訂は,この新しい標準に合わせた改訂が中心です。

そして,具体的な項目としては,PMBOKガイド第5版で10番目の知識エリアとして新設された,「ステークホルダマネジメント」が追加されています。
今までは「コミュニケーションマネジメント」の一部でしかなかったステークホルダに関するマネジメントが,1つの知識エリアとして格上げされた形です。
ステークホルダマネジメントとは,プロジェクトの利害関係者に参画意識を促して,プロジェクトへの協力者に変えていくことです。

こちらの変更内容も,少し意識しておくといいと思います。

情報処理技術者試験は古い内容の試験だと誤解されがちなのですが,それは古い内容を中心としている参考書が多いからであって,試験内容自体は時代と共に新しくなっています。
新しい流れもしっかりチェックして,来月の試験に備えていきましょう。