株式会社わくわくスタディワールド

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「情報セキュリティ」の出題強化と来年の試験範囲変更

本日,情報処理技術者試験センターより,「プレス発表  iパス(ITパスポート試験)をはじめとする情報処理技術者試験の出題構成の見直しについて」が発表されました。
日本経済新聞でも記事(途中から有料)になっていますが,情報セキュリティ分野に対して,ITパスポートで出題数が倍増するなど,かなり情報セキュリティの内容を充実させる方向に変わっていくようです。

もともと,去年から今年の基本情報技術者試験や応用情報技術者試験の午前でも,情報セキュリティの分野の問題がやたらと増えて,10問以上になっていましたが,公式に,時代の流れや要望に合わせて改訂ということだと思います。
情報セキュリティに関しては,なかなか自分で興味を持って勉強というのがやりづらい割に必要性の高い分野ですので,資格試験の取得に合わせて学習するというのは,いいきっかけになるとは感じます。

というところで,来年の試験では,ITパスポートだけでなく,ほとんど全部の試験分野で情報セキュリティの内容が拡充されます。
多分,私の感覚では,重要な変更順に並べると,次のようになると考えています。


1.基本情報技術者,応用情報技術者の午後試験で「情報セキュリティ分野」が必須問題に

今まで,基本情報技術者試験ではアルゴリズムの1問のみ,応用情報技術者試験では1問もなかった必須問題が,新たに加わります。
もともと,情報セキュリティ分野を選んでいた人は結構多いとは思いますが,苦手でも避けようがなくなったことで,しっかり重点的に学習する必要性が高くなったといえます。
そしてその分,選択問題が減りますので,問題選択のやり方にも影響があると思います。

2.ITパスポート試験で,情報セキュリティ問題の試験問題が倍増

ITパスポートの全92問で,マネジメント系の問題が5問減って,テクノロジ系の問題が5問増えます。
この5問はそのまま情報セキュリティ分野に振り分けられると考えられますので,現在の5問程度の情報セキュリティ問題が10問になる,と考えられます。
全体の1割以上がセキュリティ,ということになりますので,合否に影響する割合は,かなり大きくなってきます。

3.すべての試験区分の午前(午前1,午前2)で,情報セキュリティ分野の出題数増加,あるいは追加

基本情報技術者と応用情報技術者の午前,及び高度午前1で,情報セキュリティの出題比率が上がります。
これは,今でも結構多くなっているので,予想としては80問中8~10問ぐらいの,全体の1割超ぐらいの出題かと思われます。
1問1.25点という配点は一緒ですので,セキュリティ分野が苦手だと午前が突破できない危険が高くなります。

また,午前2では,今までセキュリティが出題範囲ではなかったITストラテジスト試験とプロジェクトマネージャ試験で,セキュリティが出題範囲となります。その他の試験区分では,出題比率が高くなります。
ただ午前2では,重点分野以外は今まで出ていても1問ぐらいでしたし,高くなっても2問ぐらいかな,とは思います。
あと,情報セキュリティスペシャリスト試験は,今まで15問程度しかセキュリティ分野が出ていなかったので,大幅に増えて20問くらいになる可能性はあると思います。


昔,同じような感じで,平成17年春期から,午前問題の出題数が増えたことがあります。
このときも,「情報セキュリティ分野が重要になってきた」という理由で,高度区分午前が50問から55問に増え,その5問は情報セキュリティ分野でした。
9年経ってもやっぱり,情報セキュリティは重要で,より啓発していかなければいけない分野という位置づけは変わらないのですね。

適用時期は,ITパスポートは平成26年5月7日から,その他の試験は平成26年度春期からとなっています。
あと半年ありますので,それまでに情報セキュリティについてしっかり学習しておくと,より安心できると思います。

試験制度は時代の必要性に合わせて変化していっています。
新しい流れを見据えつつ,スキルアップしていきましょう。