書泉ブックタワーで,とてもよさげな本を見つけたので,買ってきて読んでみました。
入門 コンピュータ科学 ITを支える技術と理論の基礎知識」という本で,アメリカのハーバード大学やUCBなどの多くの大学で採用されている教科書の翻訳書です。

入門コンピュータ科学

内容的には,情報処理技術者試験の範囲で言うとテクノロジ系の全分野をカバーしている基本書です。
アルゴリズムやOS,データベースやネットワーク,セキュリティ,ソフトウェア工学など,広くいろいろな分野について,考え方を中心に解説しています。

この本は今年(2014年)2月に発行された本で,内容が類書に比べて比較的新しいのも特徴です。
チューリングマシンなどの基本に加えて,人工知能やコンピュータグラフィックスなどの新しめの分野についてもいろいろ触れられていますので,中級者以上の方でも,いろいろ学ぶことはあると思います。

大型本で600ページ以上あり,なおかつ文字が小さくびっしり詰まってますので,内容はすごく盛りだくさんです。
これくらいしっかり学習すれば,コンピュータについて本質的に理解できる,というまさに定番書になっています。

情報処理技術者試験的には,これをマスターできれば,基本情報技術者試験や応用情報技術者試験のテクノロジ系分野はバッチリです。
というより,その範囲を超えて学習できるので,仕事にもいろいろ活かせると思います。

ホントは,試験参考書でもこれくらいの分量は書きたいのですが,現実問題,紙面の都合でなかなか書き切れないところではあります。
1冊で,テクノロジ系だけでなく,マネジメント系やストラテジ系についても掲載する必要があると,1つ1つの分野の掘り下げは少なくなるのが現状です。

ということで,余裕がある方,または試験に関係なくコンピュータ科学についてしっかり学んでみたい方には,この本はかなりおすすめです。

本来,情報処理技術者試験の勉強は,参考書で行うものではありません。
内容的に,1冊の本で知識分野をすべてカバーするのは無理なので,しっかり理解するためには,いろいろな本を読んだり,実際に実践してみたりする必要があります。

私自身参考書を書いていて,1冊の本で必要な知識を網羅できたかな,と感じられるのは,データベーススペシャリスト教科書だけです。
他はどうしても,ある程度重要なところに絞ったり,網羅性を上げるために1つ1つの説明を少なめにしたりしています。

できれば,参考書だけの勉強ではなく,過去問演習などと並行して,必要な知識を専門書で学習してみるといいと思います。
そうすると,単なる知識の暗記ではない,使える知恵が身につけやすくなります。

近年は出版不況ではあるのですが,その中でも,いろいろな本が出版されています。
その中には,今までにはなかった「入門 コンピュータ科学」をはじめとした,海外の良書の翻訳や,新しい方向性から技術を解説した良書などもいろいろあります。

専門書で本格的に学びながら,しっかりとした技術を身につけていきましょう。