昔,私が最初にネットワークスペシャリストを受験した頃(15年ぐらい前)には,「自宅でサーバを立ち上げてみる」というのが勉強会の仲間内で流行していました。
これは,ネットワークの勉強法として,これ以上ないくらい有効です。

私も,家の古いパソコンにFreeBSDを入れて,Webサーバを立ち上げて個人ページを作っていました。
いろいろ苦労もしましたが,とても勉強になりましたし,いい経験にもなったと感じています。

ただ,これを実際にやってみるのは,結構敷居が高かったりします。
古いパソコンを使ったり,自作したりして安く仕上げたりしてもある程度お金がかかりますし,1からOSをインストールしてサービスを立ち上げるのは,かなり大変です。
サーバによって動作も違いますし,不具合もよく起こります。

また,サーバとして公開するためには,固定のIPアドレスと,それが割り当てられる回線が必要なので,これが結構お金がかかります。
私がやっていた最初の頃は,OCNエコノミーを使っていたので,月額3万以上かかっていました。
段々,劇的に安くなっていったので助かりましたが,なかなか勉強のためだけに出せる金額ではないと思います。

ということで,昔は敷居が高かったのですが,段々安くなってきました。
そして,クラウド化,仮想サーバのレンタル,という流れの中で,試してみるだけならほとんどタダでやってみることができます。

徹底攻略ネットワークスペシャリスト教科書 平成26年度」のコラムでも書いていたのですが,最近はAWS(Amazon Web Service)を使えば,とっても手軽に,サーバー構築を1からやってみることができます。

トップページに,「無料でお試しください」とあるとおり,試すだけなら,ホントに無料です。
そして,勉強のため,というのなら,常時立ち上げてサービスを提供し続ける必要はありませんし,12か月分の無料利用枠を使えば,かなり長く,使い続けられます。
ですので,アカウントを作ってサーバを立ち上げてみる,というのを気軽に試すことが可能です。

そして,AWSでは,自分で仮想ネットワークを組んで,仮想のプライベートサブネットを作ってプライベートIPアドレスを利用することもできます。
DNSサーバもWebサーバもDBサーバも,いろいろ好きなように立ち上げることができます。
いろんなサーバが立ち上がる企業のようなネットワークを,自分で試しに作ってみることが可能なのです。

ただ,ちょっと自分で1からやってみるには,技術的なハードルは高いかな,とは感じます。
なにげにいろんな分野の基礎知識が必要ですし,インフラまわりの技術をひととおり使用する分,わかっていないと何もできない,ということになりがちです。

このあたりは,何かいい方法がないかなぁ,と考えていたのですが,最近,おあつらえ向きの本が出てきました。
Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築」という本で,“さわって学ぶクラウドインフラ”という副題がついているとおり,AWSを実機代わりにして,インフラ技術を学ぶ内容です。

20140725AWS基礎からのネットワーク&サーバー構築

IPアドレスやポート番号,HTTPやSSH,TELNETなど,ネットワークの基礎技術については,あらかじめ知っておく必要はありますが,その基本があれば,実際の仮想的な実機で,サーバを構築して試してみることができます。
実際に,AWSを使って,WordPressによるブログシステムを構築しながら,ネットワーク技術やサーバ技術を取得していく流れになっています。
中には,「Telnetを使って自分でHTTPをしゃべってみる」など,ネットワークの基本を,自分の手で体験できる話も出ています。

ある程度基礎知識がある方なら,自力でいろいろ,試してみることが可能だと思います。
ネットワークスペシャリストを受験される方には,すごくおすすめな内容です。

昔,ネットワークの実機セミナーを何回か開催したことがありましたが,準備などがすごく大変で,あまり続けられませんでした。
今ならこういった,AWSなどを使えば,実機を使ったネットワーク技術のセミナーも手軽にやれそうなので,やってみるのも面白いかなぁ,と考えています。

ネットワークは,いわゆるテキストの「お勉強」だけだと,なかなか実感がつかめなかったりします。
実務での経験が少ない方は特に,「意識して実際のネットワークにさわってみる」ことが大切です。

いろいろ技術が進歩して,勉強するのに手軽な方法がどんどん出てきました。
いろいろ試してみて,楽しく効果的に学習していきましょう。