応用情報技術者試験午後問題での選択範囲の変更
わく☆すた美月@熊野です。
やっと移転作業がだいたい終わって,通常業務に戻りました。
徐々にこのブログも,ペースを戻せていけたらな,と考えています。
というところで,今日のニュースは,「プレス発表 「応用情報技術者試験」午後試験における出題構成の見直しについて」です。
次回の試験に向けて,まず応用情報技術者試験に,試験制度変更の動きがありましたね。
この制度変更は,応用情報技術者試験を受ける場合の対策に,かなり影響を与えると感じています。
簡単に言うと,「ストラテジ系の問題とプログラミングの両方を避けても,応用情報技術者試験に合格できる」ということになるからです。
特に,インフラや運用系の技術者にとっては,受かりやすくなる変更であると考えられます。
具体的な変更点は,「ストラテジ系(経営戦略など)」と「プログラミング」の分野はこの2問のうちから1問,それ以外の8問から4問という選択だったのが,全部一緒になって,10問中4問の選択となることです。
従来から必須で問1の,情報セキュリティ分野については,必須のままで変更はありません。
また,配点が今まで1問16点だった分野もすべて20点となり,その分全体の選択問題数が1問減って5問となります。
問題数が減った分,一問あたりの設問などの分量は増えるかもしれません。
こうなると何が変わるかを考えてみます。
新試験制度では,問題構成は次のようになると考えられます。
(問題番号は変わるかもしれません)
問1 情報セキュリティ(必須)
問2 ストラテジ系(経営戦略,情報戦略,戦略立案・コンサルティング技法)
問3 プログラミング(アルゴリズム)
問4 システムアーキテクチャ
問5 ネットワーク
問6 データベース
問7 組込みシステム開発
問8 情報システム開発
問9 プロジェクトマネジメント
問10 サービスマネジメント
問11 システム監査
このうち,テクノロジ系の,いわゆる技術的な勉強が必要な分野は,次のようになります。
問1 情報セキュリティ(必須)
問3 プログラミング(アルゴリズム)
問4 システムアーキテクチャ
問5 ネットワーク
問6 データベース
問7 組込みシステム開発
問8 情報システム開発
それ以外の,マネジメント系,ストラテジ系の問題は,次のとおりです。
問2 ストラテジ系(経営戦略,情報戦略,戦略立案・コンサルティング技法)
問9 プロジェクトマネジメント
問10 サービスマネジメント
問11 システム監査
これらの問題を選ぶと,IT系の技術スキルはあんまり関係なく,合格できます。
ただ,今までは,このうちの問2のストラテジ系は難問が多く,それである程度バランスが取れていたようにも感じています。
次回からは,この問2を避けて,例えば次のように問題を選択することも可能です。
問1 情報セキュリティ(必須)
問8 情報システム開発 もしくは,問4 システムアーキテクチャ
問9 プロジェクトマネジメント
問10 サービスマネジメント
問11 システム監査
この選択だと,ITの勉強うんぬんよりも,問題文の日本語を読みこなせるかどうか,組織の論理がわかっているかどうかなどが合否を分けるようになると考えられます。
いずれにしても,選択の仕方によって,かなり自由度が高くなったことは確かです。
プレス発表によると,今回の変更の目的は,「必ずしもプログラミングのスキルを必要としない「インフラ構築」、「IT運用」、「プロジェクト管理」などを主な業務・役割とする応募者」に対応するためとありますので,その目的にはかなっていると考えられます。
ということは,さらに,「プログラミングのわからないプロマネ」や,「プログラムに拒絶反応を示すインフラ屋」が増えるんだなぁ,と思うと,悲しい気持ちにはなりますが,時代の要請はその方向なのですね。
個人的には逆に,プログラマであっても経営やマネジメントを学ぶなど,全方位的に学習する方向をお勧めしたいです。
試験制度は,時代によって結構変わってきます。
その違いに気づかないと,本番の試験であわてることにもなりますし,変更の趣旨を理解して,早めに対策を立てていきましょう。