株式会社わくわくスタディワールド

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これからの時代に資格や学歴に取って代わるもの

私自身,長年「資格」に関する仕事に関わっていますが,資格というのは本来,その資格が証明するスキルがあることを示すものです。
そのため,仕事ができる人を探している企業が,資格をもとに採用を決めたりします。
また,仕事によっては,特定のスキルが必須になるものもありますので,そういった時には資格が必須条件となることもあります。

といったことを考えると,必須条件となる資格以外は,資格以外のものでも取って代わることが可能となります。
実際,学歴などは資格の代わりに採用試験などで良く用いられますが,これは,「この学歴があれば仕事に必要なスキルを身につけられるだろう」という将来への担保という側面もあるかと思います。

ただ,資格や学歴は,「スキルや素養を持っている可能性が高い」ことを示すだけで,実はそれほど精度が高いものではありません。
裏技やテクニックを使って,本来の実力がないのに合格できてしまうこともありますし,年度によって合格への難易度が変わることも多いです。

実は,インターネットを使う人が多くなって,いろいろな技術が進化したおかげで,本来の「仕事ができる人を判別する」ためには,資格や学歴以外でも,使えるものが出てきています。
有利な仕事を得るという目的なら,資格や学歴に取って代わりそうな,次のようなものを意識するのもいいと思います。

1.SNS(フェイスブックなど)での活動

「人の信用」を,その日常的な行動や友人関係から判断するというのは,昔の村社会の時には,定番で行われていたことです。
SNSが広がることによって,それがインターネット上で可視化できる社会となってきました。
ですので,フェイスブックでの友達やツイッターでの発言,フォロワー数などが,その人を判断する指標として使えるようになってきています。

このあたりのことは,『勝手に選別される世界――ネットの「評判」がリアルを支配するとき、あなたの人生はどう変わるのか』の本に詳しく書いてあります。
SNSを,単に友達とつながる手段ということだけではなく,自分の信頼性をアピールする手段として活用することは,すでに現実的になりつつあります。

IT関係の人で人間関係が苦手な人にありがちな,「SNSは絶対に使わない」というのは,プラスの評価を得られないという意味では,不利になるかもしれません。
ただ,「失敗してマイナスになる」リスクがなくなるという点では悪くないので,選択次第だとは思います。

2.ネット上での教材を使った学習

インターネット上でのMOOCなどの教材は,学習をしたことの履歴が残ります。
そのため,資格などでの最終的な「合格」という結果以外にも,何をどう学習したのかということを示すことができます。

これから用途が拡大していくと考えられるのは,1つ1つのスキルに特化した学習したことの修了証明です。
先日,「英語で学ぶのではなく英語”で”学ぶ」の記事で紹介したUdacityでは,有料コースでナノ学位を発行して,「このスキルを身につけた」ということを証明します。

例えば,「Intro to Programming Nanodegree」は,プログラミングのスキルを身につけるプログラムですが,これをきちんと修了させると,「プログラミングの基礎をしっかり学習し終えた」という証明になります。

日本だと,プログラミングの基礎を学習したことの証明に基本情報技術者試験を使うことが多いのですが,こういった国際的な学位だと,日本以外の国でも通用します。
「新しいことができる」という証明には,資格試験よりもむしろおすすめです。

3.自分が持っているポジティブで有益な情報の発信

ブログなどで情報を発信する,はてなブックマークなどで有益なコメントをするなど,自分発で情報を出すことは,「自分ができること」を示すために重要です。
自分の経歴ややってきたプロジェクトをまとめてインターネット上で公開しておくと,それを見た会社などが連絡してくることがあります。
ポジティブで有益な情報を出せば出すほど,それを出した人の価値は高いと認識されやすくなるのです。

1番目のSNSと似ていることではありますが,1番目は人とのつながり,3番目は情報の発信に重点をおいています。
これらは,これからの時代により重要になってくる,「自分ブランド」を構築する手段となります。

今までの時代は,得られる情報が限られていたため,資格や学歴など,わかりやすい指標に頼らざるを得ないという事情がありました。
でも,時代は変わっていて,人間関係や持っている情報が可視化されるようになり,人を評価する手段も多くなってきています。

単純に,「勉強して資格さえ取れればいい」ではなく,これからの時代を見据えた上で,必要なスキルを身につけ,その身につけた情報を発信していきましょう。