株式会社わくわくスタディワールド

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実はみんな,豊かになっている

熊野に引っ越してきて,せっかく庭に花壇があるのだからと,チューリップの球根を植えてみました。
ほとんど放置していたのですが,結構良く育って,きれいに花を咲かせてくれました。
自分が植えたものが育っていくのは,結構楽しいものですね。

熊野での暮らしは,まわりが静かで自然にあふれていて快適です。
庭をはじめ,空間に余裕があるというのは,意外とストレスを減らす上で効果的なのだと思います。
東京にいた頃に比べると,大分豊かな暮らしができていると感じています。

最近改めて,「豊か」ってなんだろう,と思い直すことが増えてきています。
実は,意識していないうちに私たちはみんな,結構豊かになっているのではないかと感じることが多いのです。


スマホがあると,結構簡単に,写真が撮れてしまいます。
その写真を現像する必要もなく,インターネット上に保管してくれます。

そして,Googleフォトが,勝手に人工知能を使ったエフェクトでかっこよく加工してくれます。
冒頭の写真は,私が以前iPhoneで適当に撮っていた写真を,Googleフォトが自動的に加工してくれたものです。

こんなことをするためには,以前はデジカメを買って,Photoshopで加工しなきゃできなかったため,すごくお金がかかったように思います。
最初に買ったデジカメは130万画素ぐらいで3万円ぐらいしましたし,Photoshopも結構高いです。
ディジタルに関するものは,ホントにどんどん値段が下がって,性能が上がっていくのを感じます。

限界費用ゼロ社会<モノのインターネット>と共有型経済の台頭』という本で,どんどんモノが無料に近づく仕組みについて語られています。

モノを作るのにかかる費用には,固定費と変動費がかかります。
この変動費の部分で,無駄を極限までそぎ落とすことで,モノの精算を1つ増やすためにかかる費用,つまり「限界費用(マージナルコスト)」がほぼゼロに近づく,というのが限界費用ゼロの意味です。

ディジタルなデータなどは,もともと限界費用がゼロに近いことは,『フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略』でも語られていますが,今は実際の「モノ」でもそんな現象が起こっている,という話でした。

そのため,いろいろなものが安く,高性能になってきています。
多分,少しずつの変化のためあまり気付いていないだけで,改めて,昔に比べると安くなったなぁ,と感じるモノは多くあるのではないかと思います。
資本主義の行き着く先としての,モノが豊かにあふれた時代は,すでにもう到来しているように感じています。

具体的な話だと,私が大学生の頃,苦労して買ったパソコン(PC9801BX)は,周辺機器込みで41万円でした。
これだけ出しても,ハードディスクは40MBで,ブラウン管のディスプレイは14インチでした。
今は,20万もあれば,iMacなどのかなりいいパソコンが手に入りますし,3万円ぐらいでもそこそこいいものが入手できます。

ムーアの法則の指数関数的な増加曲線が,長い間維持されたことで,コンピュータ関連では,どんどんコストパフォーマンスが良くなってきています。
今普通に手にしているスマートフォンの性能は,20年前に私が仕事で使っていたSunのワークステーションの性能を,遙かにしのぎます。
昔はゲームを1本1本買っていて,それが1万円ぐらいするものも多かったですが,今は安価で面白いモノ,無料なモノもいっぱいあります。

車なども,値段自体はそれほど変わっていない気もしますが,性能は格段に上がってきています。
食べ物も,値段はそれほど変わっていない気もしますが,美味しくてそこそこ安いモノは,確実に増えてきています。

アニメや本,漫画なども,すべて追い切れないくらい,大量に放送,出版されていて,値段もあまり変わっていません。
それに,ネットでいろんな評判や紹介を目にする機会が増えたので,面白いコンテンツに出会える確率は,格段に上がりました。
今回入院して,kindleで本を読みまくっていたのですが,面白いモノが目白押しで,楽しく休暇を過ごすことができました。

同じ時代の他人と比較したりすると,自分は貧しいと思い込んでしまうこともあるかもしれません。
ただ,改めて振り返ってみると,ここ20~30年では,生活は確実に,全体的に豊かになっていると感じています。
安くておいしい外食産業も増えましたし,あまり高いものを追い求めなければ,そこそこ豊かな暮らしはできるように感じています。

今の豊かさを享受して,穏やかに楽しく過ごすことが,幸せの秘訣かもしれません。