株式会社わくわくスタディワールド

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「魔法の世紀」を生き抜くために必要なこと

先日私は腹腔鏡手術という手術を受けたのですが,手術室に入ったとき,その部屋はまるでコックピットのようでした。
宇宙船の中に迷い込んだようなハイテク施設で,大きなディスプレイがドン,と置いてありました。
高解像度のハイビジョンディスプレイで映しながら,確実に患部を捉える,というのは,私の手術のイメージを覆すものでした。

普通に生活していると気づきづらいですが,科学技術の発展による大きな変化は,着実に私達の社会に表れはじめています。

「魔法の世紀」がやってきた


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魔法の世紀』という本があります。

この本でいう「魔法の世紀」は今,21世紀のことで,今は魔法が使える時代になっていて,これからどんどん発展していくよ,という話です。
ここでの魔法は,いわゆる前近代的な魔術ではなく,科学技術がもたらす魔法のような出来事やモノを指します。
SF作家のアーサー・C・クラークが定義したクラークの法則の1つ,「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない。」から来ています。

20世紀後半ぐらいから,コンピュータは魔法の箱でした。
21世紀になった今,コンピュータはどんどん発展し,AI(人工知能)や生物工学などの進歩によって,昔は絶対無理だと思われていたようなことが,どんどん実現できるようになっています。

AIに仕事を奪われるのではないか,という話も良く出てきますが,確かに,AIに任せた方がうまくいくということは既に数多くあります。
単純作業など,コンピュータの方がうまくできるようなことは,今後の仕事としてどんどんなくなっていくと考えられます。

「先端IT人材」の不足

先日,経済産業省で「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果について」が発表されました。
IT人材不足が深刻化、2030年には78.9万人不足に 経済産業省調べ」というニュースにもなっています。

この調査によると,IT人材は,今後大幅に不足すると言われていますが,不足するのはいわゆる一般的なITを仕事にしている人,というわけではありません。
不足するのは,「先端IT人材(AI、IoT、ビッグデータ等に携わる人材)」や「情報セキュリティ人材」など,人間がやる必要がある,これから先に需要が増えそうな分野だけです。

AIが発展するということは,AIを扱う技術者は,今後どんどん必要となってきます。また,情報セキュリティは,一番のポイントは「人」に情報セキュリティを守らせるところですので,こちらは人間がやる必要がある分野です。

他の人でも簡単にやれるようなスキルは,AIで簡単に代替できますので,どんどん需要はなくなってきます。
単純やプログラミングやルーチン化できる作業,知識さえあればできる作業は,どんどんAIに置き換わっていきます。
魔法の世紀を生き抜くためには,「人間ならでは」のスキルを身につける必要があるのです。
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新しい技術を使いこなす

最近は,スマホを使っている人がかなり多くなってきました。
使い始めると手放せないぐらい,いろいろな機能が付いていて便利です。
特に,メッセージなどでコミュニケーションを取るのに手軽で,情報も記憶しておけるので,知らず知らずのうちに仕事の仕方が変わっている人も多いんじゃないかと思います。

今現在の仕事には,「丸暗記して何でも覚えていること」は,特に必要とされていません。
必要なことはデータで保存しておけばいいですし,調べ物はGoogleで検索すればだいたい終わります。
そういった,「昔は重要だった」スキルはもう,これからの時代は磨く必要はありません。

逆に,そういった新しいツールを使いこなせないと,かなり不利な状況になります。
IT関連の技術者だと,「FacebookやLINEは怖いから絶対やらない」みたいな人は結構いるのですが,そうすると現実的に,人の輪から排除されることも多くなってきます。
ITツールを一般の人も使うようになった今は,インターネットを介在したコミュニケーションが,現実の社会と結びついているため,そこから外れるというのは大変なのです。

これからどういった技術が出てくるのかはわかりませんが,その出てきた新しい技術を避けず,使いこなすことは今後,大切なスキルとなってくると考えられます。

「イヤなこと」を「頑張って」やらない


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今の世の中にはびこっている概念で,これはもうあまりいらないんじゃないかと感じていることは,「イヤなことを頑張ってやる」ことです。
人間にとってイヤなことというのは,率先して新しい技術が開発される分野でもあります。

例えば,単純記憶を代替してくれるスマホが発展したおかげで,頑張っていろいろ暗記しておく必要はなくなりました。
「頑張って電話をかける」という営業よりも,適切にメリットを説明してあるホームページの方が,売り上げを上げることも多いです。

人間がイヤなことというのは,単純で不快なことが多いですが,これは今後,AIを中心とした機械に代替されることが多くなります。
介護ロボットや接客ロボットなどはすでに実用化されていますし,普及することで価格も下がり,一般的になっていくと考えられます。

その他,魔法の世紀になったことによって,今後の価値観は大きく変わってくると考えられます。
今の価値観に固執せず,無理に頑張らずに楽しんでいきましょう。