株式会社わくわくスタディワールド

株式会社わくわくスタディワールド

ITサービスマネージャ合格体験記:さんしのごいさん

わく☆すた,合格体験記シリーズ。
今回の体験記は,他にも情報処理技術者試験の資格を多数お持ちの,さんしのごいさんです。

【基本情報】
氏名:さんしのごい
年齢:41歳
ITサービスマネージャ受験:1回目
点数:
 午前1 免除(後日挑戦した結果は23/30=77%)
 午前2 96.00点
 午後1 65点(問2,問4を選択)
 午後Ⅱ A(問1を選択)

【受験の動機】
本業(社内システムの保守・運用担当)に近かったので前回(2010春)、論文系(PM)受験だったため、勢いで。
いつも午前でITILの問題を落とすので正面突破を目指して。

【使用した教材】
1.TAC通信教育 ITサービスマネージャ午前免除コース(2010秋試験向け)
(1)ITサービスマネージャ 専門テキスト(市販名:完全攻略テキスト)
400P弱の教科書で5回購読。このテキストに限った話ではありませんが、ITILを取り入れた新試験制度向けた部分と従来のシステム運用管理が混在していて未整備という印象を受けました。
特にITIL-v3 について、本書はちょっと触れる程度で終わっている為、別の書籍で知識を補完した方が良いと思います。
(2)ITサービスマネージャ 問題集(市販名:完全攻略トレーニング教材)
午前2、午後1、午後2をカバー。解説がわかりやすい。サイズが大きいのもGOOD。
午後1は出題年別ではなく、分野別に並べ替えられており、例えばSLAの過去問を続けて解いていくと、どの辺が勘所かわかるようになったりと工夫してありGOOD!
しかしながら、構成に難あり!記述式問題の直後に解答・解説が書かれており、問題を解こうとすると見開き右半分が見えてしまう事が・・・
あと、解答用紙が無くて苦労しました。仕方なくExcelで自作しました。
午後2の論文例では、試験制度改訂を意識してH20以前の設問、論文を変換しています。そこは良いのですが、この区分に限って言えば設問アの前半は「あなたが携わったITサービスの概要」なので、できればそこまで変換して欲しかったなと思います(実際、設問アの変貌は試験直前に気づいたため、結構焦りました)。
(3)通信教育課題
全部提出しました。論文(ツーウェイ方式につき2回提出要)は1回目の評価がB、2回目でギリギリA判定でした。人材像がうまく掴めず、題材をなかなかそろえられなかったので、結構苦労しました。
2.ITサービスマネジメントITIL v3 ポケットガイド(Van Haren Publishing)
9月に会社の斡旋でITIL-v3 Foundationの講習兼テストを受ける機会があり、渡りに船とばかりに申し込みました(Foundation試験にも合格しました、さすがに合格率8割の試験は落とせません)。その時にもらった教材ですが、復習と試験対策を兼ねて2回ほど読みましたが、モデルの理解を通じて要求されるスキルセットを整理するのに大変役立ちました。ITサービスマネージャ試験は今現在まだ完全にITIL-v3 に沿っていませんが、今後
は取り入れていくことになると思っています。

【試験に向けて,勉強した内容】
2010/04(春試験1週間後)より開始しました。
かけた時間は1日あたり2時間程度です。
通勤電車でテキストを読み、退社して帰宅するまでの間に最寄りの喫茶店に立ち寄って学習するのが基本的なスタンスです。
学習は営業日が中心です(土日祝日は家族と過ごすことにしています)。
(1)テキスト購読
専ら電車の中で1日40~50P程度のペースでした。
(2)午前1対策
免除につき実施せず(後で試しに挑戦した結果は不正解7問・・・結構難しくなってます、免除でない方は要注意!!)。
(3)午前2、午後1対策
TACの問題集一筋。収録された午前2、午後1(20問)と昨年の問題4問を3回ずつ解きました。
(4)午後2対策
ワープロで作成した後、原稿用紙に手書きしながら気付いた点を修正してゆく作業の繰り返し。練習論文は題材3つ、本数5本を用意しました。試験直前はとにかく設問アの前半を何も見ずに書けるよう「最後のア書き」に注力しました。

【当日の試験の感想】
会場は新宿都庁裏(新宿駅側から見て、です)の十二社通り沿いにあるベルサール新宿というオフィスビル風の会場。仕事で近くに来たこともあるし、結婚式を挙げたホテルの近くという縁のある場所です。
試験会場に到着したのが9時半。午前1免除なので、試験開始より80分も前に着いてしまいました。教室には午前1実施中なのでまだ入れないと試験委員に言われ、座れる場所を探すハメに。結局、向かいの新宿中央公園の中にあるベンチに腰掛け、論文のネタ(設問アをITサービスの概要に治したのをひたすら覚える)を仕込むことにしました。コゲラ(キツツキの仲間)の声が周囲に響き渡り清々しい気分でしたが、足を1箇所ヤブ蚊に食われました。
各区分の感想は,以下の通りです。
1.午前2
感触としてはほぼ問題無し。答え合わせした結果、不正解2=92点。今回も自身に課した90%以上というSLA(Score Level Agreement)を遵守することができました。
昼食は自宅近くから持参した弁当。横向きでカバンに入れたため、ラップをはがした際に照り焼きチキンの肉汁が垂れてくるという小規模インシデントが発生。焦らず騒がずティッシュで拭き取ることで対処しました。
2.午後1
問4から着手。情報セキュリティの問題ですが、何だか伏線が多すぎで答えに迷う・・・。何と55分もかかってしまいました。次は問2を選択。こちらはWebシステムの定番っぽい問題。でも一部答えが複数出てきそうな変な問題あり。結局5分くらい前に終わりました。
再現した回答とセンター公表の正解と比較して採点した結果は62.5点、かなり正確な数字でした。何にしても危なかったです。特に問2設問3(2)は問題をロクに読まず、定番の「障害発生時の切り戻し時間が足りない」を安直に書いてしまったのが悔やまれます。
午後2までの休憩時間中、男性用トイレには長蛇の列。男性用は平均サービス時間が短いはずなのに・・・?と思いながら入ってみたら窓口数が2つしか無い。そりゃ混むわ。
3.午後2
予想では、サービスデリバリを中心に可用性管理、キャパシティ管理、構成管理、インシデント管理でしたが、フタを、いや問題冊子の表紙を開けてみれば、構成管理、リリース管理、インシデント管理でした(H21と合わせてITIL-v2 のサービスサポートを完全網羅、何てわかりやすい・・・・)。予想的中の構成管理を選択、設問アにはCMDBの管理における問題として、実務で起きたバッテリー期限切れを記述、設問イのCMDBの改善はCMDBの項目見直しと週次棚卸しを記述、設問ウの評価&今後の課題は、CMDBのデータを加工した2次利用による他のプロセスやビジネス上の判断への貢献について(これこそITIL-v3 の視点!)書きました。即興が多かった割には調子良く書けた気がします。

【次にチャレンジしたい資格】
・ネットワークスペシャリスト(来年秋)
・ITストラテジスト(再来年以降の秋)
春は受けるものが無くなりました・・・。

【今後の受験者に向けてのアドバイス】
この試験区分はまだ「腰が定まっていない」印象を受けました。ITIL-v2、v3、ISO/IEC20000(ITIL-v2との重複多い)、旧来のシステム運用管理と4つのスキルセットが混在した状態です。
とはいえ、この試験は最早「システム管理」ではありません。昨年、今年の論文テーマでサービスサポート(ITIL-v2 )のプロセス&機能6つが満遍なく出題されたこと、設問アの前半が「あなたが携わったITサービスの概要」となっていることから明白です。
途中でITIL-v3 Foundationを受験できたことは幸運でした。本試験の今後の方向性が理解できましたし、午前2にもv3関連の問題がいくつか出題されました。午後2の論文でも、結びの”今後の改善点”でv3にある構成モデルの最終形を挙げることもできました。
人材像がうまくイメージできず、PM受験時に比べて論文ネタの準備に苦労しました。 本区分ではAE、PMで仕込んだ題材はあまり使えないので、経験者は要注意です。
・午後1のコツは「問題点を挙げる際は、SLAを満たせない事を最も忌み嫌う事」、 「障害発生時はサービスの復旧を第一に考えること」の2点に尽きます。
意外かもしれませんが、情報セキュリティスペシャリストの午後1とほぼ同様の問題が出ることがあるので取得者は有利です。但し若干視点が違う(本区分ではサービスの早期復旧が主眼)設問が混入するので注意しましょう。
ロードバランサの問題が最近頻出しているので、演習を通じて慣れておくことをお勧めします。
午後1で待ち行列(それもM/M/n)やサービスデスク要員のワークロードに関するディープな計算問題が出題されることがあるので、計算の練習をしっかりやっておくことをお勧めします。