株式会社わくわくスタディワールド

株式会社わくわくスタディワールド

過去問の使い方

コメント欄への返答が間に合ってないのですが,過去問についての質問が最近多いので,まとめてお答えしますね。
情報処理技術者試験,特に高度区分は,「過去問をマスターすること」が合格への一番のカギになります。
そして,過去問をマスターする,というのは,単に,「問題を読んで解く」だけでななく,もちろん「解答を覚える」ことでもありません。
先日,「過去問という名の「教科書」を解く」でも書きましたが,過去問は,その試験の「出題ポイント」が書いてある大切な公開資料です。
ですので,本当に使いこなすには,単に問題を解いて,解説を見てなんとなく理解する,というだけでは不十分です。
まず最低限大切なことは,「試験問題に出てくる用語をすべて理解する」ことです。これは,設問になっていない,問題文だけに出てくる言葉も含みます。
情報セキュリティの問題などでは,前の年に問題文中に出てきた用語が,次の年に設問で聞かれる,ということも良くあります。耐タンパ性などは,初回は問題文にさらっと出てきただけだった記憶があります。
特に,ネットワーク,情報セキュリティ,ITサービスマネジメントなど,用語がポイントになることが多い分野は要注意です。
ついでに,出てきた技術の周辺技術や,その長所や短所など,発展的に勉強できればベストです。
その問題の出題意図や,「なぜこの技術が出題されるのか」といったところまで考えて,問題を深く理解することまでやると,類題も解けるようになってきます。
以前,「過去問の雰囲気をじっくり味わう」でも書きましたが,過去問をやってその問題を解く,ということに集中するだけでなく,雰囲気を感じて,「この問題は何を聞きたくて出題しているのか」というところを見極めることは大切です。
出題の意図や,周辺分野については,解説の詳しい問題集(アイテックの本試験問題集など)では,結構解説してありますので,安い問題集だけではなく,解説の詳しい問題集を併用してみるのも手です。もちろん,わく☆すたの解答解説DVDでも,詳しく解説は行っています。
軽く,試験区分ごとの過去問の使い方について解説しておくと,まず,応用情報技術者試験の場合は,「知識を身に付ける」ことと,「問題の雰囲気を知る」ことに使ってください。応用情報技術者の午後は,知識があれば半分ぐらいは解けますので,用語などの知識と,その理解が中心です。
応用情報技術者試験の午後問題は,実は「教育的問題」が多く,その問題を解くことで,技術を理解できるという形態の問題が多いので,解くことそれ自体で実力が上がると思います。ですので,ぜひ,過去問3回分ぐらいは最低でも解いてみることをおすすめします。
情報セキュリティスペシャリストの場合は,根底に流れる「セキュリティの考え方」を感じ取るのが一番肝心な点です。細かい設問では,違うことが聞かれている気がしますが,基本,セキュリティ事件では,同じようなことが問題になってきます。雰囲気を感じることが,一番大切なのがこの試験です。
「なぜこの問題が出題されているのか」を考えて,出題者の意図を読むところまで感じてみてください。
データベーススペシャリストに関しては,ホントに,「同じようなことが繰り返し出題」されます。
何年分でもいいので解けるようになるまで解いて,「正規化,ER図」が完全に理解できれば,合格はついてくると思います。
エンベデッドシステムスペシャリストも,特にソフトウェア系の問題は,似たようなことが繰り返し出てきますので,過去問演習で雰囲気をつかんで,出てくる用語を押さえて,使いこなせるようになることが肝心です。
プロジェクトマネージャ,システム監査などの論文系は,「試験の対象者像の考え方を知る」ために,午後1問題を活用していきましょう。午後1で出てくるような内容を,午後2の論文で書ければ合格です。
最近は,午後1も長く複雑になってきていますので,しっかり演習して,傾向をつかんでおく必要があります。「試験の対象者像になりきる」ためにも,過去問3回分(午前2,午後1)ぐらいは解いて試験に臨みましょう。
確かに,こうしてみると,試験区分ごとに,過去問の活用方法は違いますね。
多分,特別試験の中で,一番過去問がそのまま使えるのはデータベーススペシャリストだとは思いますが,その他の区分も,過去問は大切な教材になります。
ちなみに,秋向けのネットワークスペシャリストからは,「過去問の解き方」に関する公開セミナーも開催しようと考えています。
平日の夜に1問ずつ,しっかりマスターしていく,というコンセプトです。今,都心での会場確保中なので,決まりましたら,またお知らせいたします。
過去問の学習は,「答えを覚える」ことではなく,「問題自体を深く理解する」ことがカギとなります。
繰り返すことによって少しずつ深く理解できることもありますし,疑問を持って調べることでも深く理解できます。
いろんな角度から,過去問を使いこなしていきましょう。