国語力の必要な情報処理技術者試験
わく☆すた,美月です。
高度情報処理技術者試験は,知識さえ身につけば受かる試験ではありません。
言葉の意味を覚えるだけでなく,内容を理解して,使われる場面,利点など,様々な視点で学び,自分の体に落とし込む必要があります。そして,最後に必要になってくるのが,「国語力」です。
よく,知識はいっぱいあるのに,「問題文を読み間違える」「文章でうまく表現できていない」ことが原因で落ちる人がいます。種目によって重要度は違いますが,午後2で落ちる人の多くは,このパターンに陥っています。
これは,「国語力」が主な原因だと私は感じています。文章を読みこなして,正確な文章を書くためには,ある程度の練習が必要です。国語力を高校時代までに蓄積している人は,やっぱり試験にも強いです。
国語力は,大きく,正確に文章を読む「読解力」と,きちんとした文章を書く「文章力」に分けられると思いますが,私の経験と感覚から,それぞれの力が必要な情報処理技術者試験の区分ベスト5は,以下のとおりです。
読解力
- 情報セキュリティスペシャリスト
- データベーススペシャリスト
- システムアーキテクト(旧:アプリケーションエンジニア)
- ITストラテジスト(旧:システムアナリスト)
- ネットワークスペシャリスト
文章力
- ITストラテジスト(旧:システムアナリスト)
- システム監査技術者
- 情報セキュリティスペシャリスト
- プロジェクトマネージャ
- ITサービスマネージャ(旧:テクニカルエンジニア(システム管理))
順位づけは,結構適当ですので,つっこみがあったらぜひお願いします。^^
ただ,「情報セキュリティスペシャリスト」試験は,国語力がなければまず受からない,というぐらい,国語力の壁があると感じています。読みこなす方も,文章で表現する方も,かなり高度です。自分の言いたいことを,過不足なく50字ぐらいでまとめて表現できないと,点数になりませんので,国語力がないと午後2で落ちることが多いです。データベーススペシャリストは,読むのは大変ですが,文章をまとめるのは定型文が多い分,楽だと思います。
論文系は,国語力がない文章は,見た瞬間に「ダメ」だとわかります。
「論文の書き方」以前に,「言いたいことが相手に伝わる」文章が書けないと,読んでももらえません。論文の採点の仕事をしていると,意外とこの「読んでわからない文章」というのは多いですし,そういう文を書く人は,ほぼ間違いなく不合格になります。
ただ,読みにくい文章は,試験対策講座などで学んだ,論文の「型」にちゃんとはまっていると,意外と,午後2判定は「B」になることが多いです。こういう場合の,AとBの間の壁は,根本的な文章力の壁なので,限りなく高くなります。
情報処理技術者試験の勉強は,何年も繰り返し試験勉強をしていたら受かる,というものではありません。
国語の勉強をしたり,実際にプログラミングを実践してみたりといった,一見試験勉強とは離れたことをやった方が,かえって近道となることも多いです。
落ち続けている人は,自分がいったい「なぜ」落ちているかの原因を探ってみるのも一つの方法だと思います。