情報処理技術者試験申込者数の大幅増加

昨日,平成29年春期の情報処理技術者試験及び情報処理安全確保支援士の申込者数が,「プレス発表 平成29年度春期情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)試験および情報処理技術者試験の応募者数について」で発表されました。

なぜか,全体的に,受験者が増加しています。
そして,特筆すべきことは,今まで受験者数が減少の一途を辿っていたデータベーススペシャリスト試験の,前年同期比126.7%の大幅増加です。

長年情報処理技術者試験を指導してきて,「徹底攻略 データベーススペシャリスト教科書 平成29年度」などを執筆している私としても,結構珍しい,不思議な現象なので,その原因を考察してみます。

【推測原因1】逃げ恥効果?

「データベーススペシャリスト試験」で最近話題になったことといえば,『逃げるは恥だが役に立つ』のドラマで出てきた,主人公の一人である津崎さんの所有資格です。
先日「”逃げ恥”風見さんの本棚の資格試験本」の記事でも書きましたが,履歴書に書かれた「データベーススペシャリスト」の記述がクローズアップされて,「データベーススペシャリストを取れば自分もガッキーと結婚できる?」みたいな話が,いろいろありました。

実際問題として,これは少し,影響があるんじゃないかな,と感じています。
情報処理技術者試験の存在を忘れていたSEが,「そういえば取っておこう」「話題の資格だしちょっと見てみよう」といった感じで意識した可能性は捨てきれないです。

【推測原因2】情報処理安全確保支援士試験の影響

今期の試験での,情報処理技術者試験内での一番の動きは,情報セキュリティスペシャリスト試験が独立して,情報処理安全確保支援士試験になったことです。
新試験なので多くの受験者が期待されたのですが,実際には情報セキュリティスペシャリスト試験の時と比べて,受験者が減少しています。

私みたいに,「新試験だから受けてみよう」という人もそれなりにいますし,「情報処理安全確保支援士になるのに有効期限がなくなるので,新試験で取っておこう」という人もいますので,通常だと受験者は増加すると考えられていました。
これが減少と言うことは,通常の受験者は,「情報処理安全確保支援士試験より他の情報処理技術者試験にしよう」と,受験種目を変えた可能性が高いのです。

種目を変えるときには,論述式ではなく,一番受けやすい高度区分,ということで考えると,データベーススペシャリスト試験は第一候補です。
そのため,受験者が増加したと考えられます。

実際,他の高度区分も全部受験者が増えているため,この可能性が一番高いのではないかと考えています。

【推測原因3】データベースの人気上昇?

データベーススペシャリスト試験で問われるデータベースは,関係データベースに特化した,データベース設計の試験です。
10年経っても出題傾向が変わらない試験ではあったのですが,ここ数年,出題傾向に変化が出てきています。

昨年の試験後に,「データベーススペシャリスト試験に今何が起こっているのか」の記事でも取り上げたのですが,データベーススペシャリスト試験は,時代の流れに合わせて,内容が新しくなってきています。
従来のベストセラー本で,正規化やE-R図の問題を解く「試験テクニック」を覚えただけでは,もう合格できなくなってきているのです。

最新技術と合わせて考えても,AI(人工知能)やIoTの分野でも,データベースは欠かせないものです。
RDB(関係データベース)以外のデータベースを使う機会も増えてきています。
DBMSの性能は,ビッグデータ時代の大量データを扱うにあたって,ますます重要になってきています。

個人的には,データサイエンティスト的な要素も加えて,もっと時代に合わせて進化して欲しいと感じているデータベーススペシャリスト試験です。
ただ,確実に変わりつつありますので,今の試験に合わせてデータベースの勉強をするのはおすすめです。

ということで,いろいろ原因を考察してきましたが,いずれにしても,申込みしたからには合格したいですよね。
あと1か月,悔いの残らないように,しっかり勉強していきましょう。