株式会社わくわくスタディワールド

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ITサービスマネージャ合格体験記:エンバグさん

本日1月13日,応用情報技術者及び高度区分の午後に関しての,採点講評が公開されました。
自分が受けた区分のものを見て,何がポイントだったのかを確認しておくのはとてもおすすめです。
システムアーキテクトの午後2には,論述のポイント,「論述は第三者に読ませるものだということを意識してほしい」など,いろいろヒントになることが書かれています。
ITサービスマネージャの午後2だと,この試験ならではのポイント,「ITサービスマネージャとして顧客や利用者などに提供するITサービスについて記述する必要があり,システムの機能や構成を記述するとしてもあくまで補足的であるべきこと」などが記述されています。
論述式の試験を受ける方は,自分の受ける区分の午後2の採点講評は必見です。
ということで,今回は,はじめての論述式試験,ITサービスマネージャに見事合格された,エンバグさんの合格体験記です。
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【基本情報】
氏名:エンバグ
年齢:32歳(受験当時)
本業:ソフトウェア開発
SM受験回数:1回目(2011秋期)
点数:免除/88/84/A

【受験時保有資格】
ITパスポート,基本情報,応用情報,ネットワークスペシャリスト,情報セキュリティスペシャリスト,SJC-P,LPIC-1,ITILver3ファンデーション

【勉強期間・時間】
2011年7月中旬から10月中旬までの4ヶ月間です。250時間勉強しました。

【勉強内容】
1.レポート・論文の書き方入門(河野 哲也)
2.理科系の作文技術(木下 是雄)
3.論文って どんなもんだい(岡田 寿彦)
4.システムはなぜダウンするのか
5.IT Service Management教科書 ITIL V3 ファンデーション
6.ITサービスマネージャ合格論文の書き方・事例集
7.ITサービスマネージャ完全攻略トレーニング〈2011年度版〉
8.ITサービスマネージャ「専門知識+午後問題」の重点対策〈2011〉
9.官庁資料:システム管理基準
10.官庁資料:事業継続ガイドライン
11.官庁資料:事業継続計画策定ガイドライン セキュリティガバナンス
12.IPA資料:ITサービスマネジメント育成ハンドブック
13.日経BPムック:震災・省電力BCP完全ガイド
ほとんどの時間は,午後II論文に裂いていました。その他は基本的に過去問題の演習のみでした。
また,論文に関しましては,とある先生方の添削サービスを受けました。なんか,大いに宣伝したくない雰囲気なので,お名前のほうを割愛させて頂いております。論文の演習量は大体,10テーマに対して,書き直しも含めて,15本でした。中4本は,手書きでした。

【試験感想】
2009年までの旧試験は,経済産業省<システム管理基準>やISO 20000に準拠していましたが,2009年以降の新試験は,上記に他にITILも加えられています。むしろ,ITILのほうは比重が大きくなっている印象です。ITILについて,基本的にVer2ベースだと思います。
ITILVer2では,サービスデリバリーとサービスサポートと大きく分けられています。SM試験の論文は,両方とも出題されますが,サービスサポートのほうは取っ付きやすいですし,必須だと思います。
論文の作法については,私ごときが言うのもおこがましいですが,あえて書きますと
・問題提起 → 根拠のある主張(ITILらしき解決方法)
・午後I問題に近い言葉遣いと文書構成(例えば,ITILのアプリケーションサプライヤは「開発会社」で良し)
・簡単明瞭なストーリー構成
という3点になります。

【アドバイス】
ITサービスマネージャ試験は,ITILに準拠していますが,【ITILそのものではない】という1点だけです。
ITILファンデーションでは,とにかく専門用語の暗記がイタズラに要求されます。例えば,インシデント管理プロセスは「発生したインシデントに対して,インシデントの発生から対策,解決までの一連の流れを管理し,コントロールを行う」みたいに定義されています。これを覚えておけばバッチリで合格できます。しかし,これはITサービスマネージャ試験の午前IIレベルに過ぎません。
一方,ITサービスマネージャ試験の場合では,「障害が起きないシステムはない。実際に起きたらその場で幾ら考えても,もう遅い。あるべき姿として,組織とプロセスレベルから,事前防止策と事後対応手順を策定しておかなければならない。あなたの場合は,どのように実践しているか/考えているか?」のように,本質的なことが問われます。
ここでは,例えば,夜間に起きる障害に備えて,夜間連絡体制の整備,障害事例の整理,障害対応手順の実効性を定期的確認する,について具体的に論述できるようにしたいです。ちょっとだけ注意したいのは,「契約時間外だが,ゴリ押しで保守ベンダーに障害対応をやってもらえた。費用なしで効果高かった」という「心証」の悪いストーリーだけは,禁止です。業界の真実を,書いていけないというか,IPAはこんなことを無くしていきたいと,私は信じています。
私の場合は,本質を理解できているという1点だけをアピールできましたが,他はボロボロでした。それでもA判定をもらえました。ですから,全然落とすための試験ではないと思います。
・言い回しが可笑しくてもOK
・字が汚くてもOK
・問題文の2~3割のリクエストに反応できなくてもOK
・ストーリーにボロがあってもOK
これから受験される方々のご参考になれれば幸いと思います。
以上です。