株式会社わくわくスタディワールド

株式会社わくわくスタディワールド

おすすめ参考書 2013年秋向け ~情報セキュリティスペシャリスト編~

情報セキュリティスペシャリストの参考書や問題集は,ここ1~2年で結構,新しいものが出ていますね。
ということで,以前,「おすすめ参考書 ~情報セキュリティスペシャリスト編~」として公開した情報をリニューアルして,新しく書き直してみます。

まず,参考書については,内容のレベルや充実度を考えると,「情報処理教科書 情報セキュリティスペシャリスト 2013年版」が一番です。
情報セキュリティスペシャリスト試験の定番,通称「上原本」ですね。

この本の素晴らしいところは,情報セキュリティについて,実務家の高い視点からちゃんと書かれていることです。
テクニックに走らず,正攻法で情報セキュリティについて学べるようになっていますし,しっかり学ぶにはおすすめの本です。
私の企業研修では,教科書には基本的にこの本を使っています。
#大人の事情で使えないこともありますが・・・^^;

ただ,初心者向けではないですし,分厚いので本を読むのが苦手な人にも向いていないです。
そういった場合には,辞書としての活用がおすすめです。
手元に置いておいて,問題を解きながら調べる用途に使うのにも適しています。

あとは問題集ですが,情報セキュリティスペシャリスト試験の場合,過去問をやり込むことが大切です。
以前は,まともな過去問集がない,というのが悩みの種だったのですが,最近は一気に増えてきて,選択肢ができましたね。

現在発売されている過去問集を全部比較してみましたが,内容が充実していて,読むだけで勉強になるという意味ではやっぱり「2013秋 徹底解説 情報セキュリティスペシャリスト 本試験問題」が一番でした。
こちらはAmazonや一般書店ではまだ販売開始されていませんが,今日入手して見た限りでは,いい感じです。
今回から,午前1,午前2,午後1,午後2の問題,解答それぞれで見出しがついていて,かなり検索しやすくなっています。
過去3期分のみですが,これをしっかりやれば傾向は十分つかめると思います。

その他,あっさりとした解説でもいいので問題を数多く解きたい,という方には,「情報処理教科書 情報セキュリティスペシャリスト 過去問題集 2013~2014年版」もいいと思います。
解説は的を射ていますので,大体過去問は自力で理解できるという方は,効率良く学べると思います。
ただ,過去問をじっくりと理解しながら学びたい,という方には,「えっ?これだけ?」というぐらいあっさりした解説ですので,向かないように感じています。
書店で見て,合うかどうかを確認してから買うのがおすすめです。

最後に,これは今まで,無視して避けて通っていた本ですが,「ポケットスタディ 情報セキュリティスペシャリスト」についても触れておきます。

ポケットスタディ(通称ポケスタ)は,情報セキュリティスペシャリスト試験版に限っては,「合格」には役立つ参考書だと思っています。
速攻サプリを暗記することによって,実力が足りなくても合格できる,そんな本です。
出題傾向からのパターン分析をしっかりしており,よくまとめられた本ではあります。(ちょっと古いですが)

でも,私の個人的には,この本はおすすめしたくないと考えています。

ひととおり勉強したけど文章が苦手という人が,答案の書き方を学ぶのに使うのはいいと思います。
ただ,この本が売れているおかげで,「セキュリティよくわからないけどポケスタ丸暗記したら受かりました」という,実務には使えない技術者が量産されている気もしています。

先日,高校生や社会人経験がない人が「ポケスタの暗記で受かりました」という話を聞いて,かなり考えさせられました。
確かに,全然実務系のスキルがなくても,受験勉強の延長線上で丸暗記すれば,ちょっと頭が良くて国語が得意な人なら合格できるとは思います。

短期的には合格したということで,本人はもてはやされるかもしれません。
ただ,長期的には,資格の価値自体が落ちていくことになるんだろうな,という危惧を,改めて感じています。

IPAが試験を作った本来の目的は,情報セキュリティに詳しい専門家を育てて,世の中に役立てることだと思います。
個人的には,長期的な視点をもって,できるだけ正攻法で実力を身につけて欲しいな,と考えています。

正攻法の勉強ということでは,参考書以外にも,「IPAセキュリティセンター」はとてもおすすめです。
ここの情報を定期的にチェックする習慣をつけておくと,実務にも試験にも,すごく役立ちます。
特に,「2013年版 10大脅威 身近に忍び寄る脅威」は,時事ネタを知るためにも必読です。

最近だと,2013年7月の呼びかけ「止まらないWeb改ざん!」の情報は定番ネタの宝庫です。
こういう事例をしっかり知っておくことは,試験と実務の両方に役立つと思います。

応用情報技術者合格レベルからだと,標準学習期間はだいたい3カ月ぐらいですし,今からでも十分間に合います。
試験合格だけを目的にするのではなく,仕事にもつながるように,確実に学んでいきましょう。