1冊の本をじっくり,繰り返し読む
私が中学生の頃から心がけていることの1つに,「いい本は繰り返し読む」ということがあります。
本というのは,1回読んだだけだと,なかなか頭に入りません。
もちろん,1回読んで,「もういいや」と思う本はそれでいいのですが,いい本だな,と感じたときには,繰り返し読むようにしています。
特に,試験勉強の時には,基本になる本は,「これでもか!」というぐらい読みます。
いろんな本を乱読,というやり方よりも,気に入った本だけを精読する方が,基礎がしっかり身につくと感じています。
先日,「〈銀の匙〉の国語授業」という本を読みました。
この本の著者である橋本武先生は,「灘校・伝説の国語授業 本物の思考力が身につくスロ-リ-ディング」という本も書かれていて,兵庫の進学校,灘中での伝説の国語教師の方です。
中学3年間,「銀の匙」という本だけをじっくり読み込む,という授業で,基礎力をしっかり身につけさせる授業を行う先生です。
この本の中で,1冊の本をじっくり読むことの大切さ,名著を寄り道しながら完全に消化していく,ということの大切さを改めて学びました。
本の中で分からない言葉があったら,それを調べてみる,そして体験してみる,ということで,本の内容をしっかり身につけることができます。
私が,「本を繰り返して読む」ことを学んだのは,中学生の時に読んだ,「知的生活の方法」からです。
本の内容をただ知る,というだけでなく,「身につける」ためには,繰り返し読む,というのは本当に大切です。
繰り返していくことで,表面的な知識が,「しっかり身になる」という体験を積むことで,知識がどんどん積み重なっていくようになります。
情報処理関連だと,私が一番読み込んだのは,やっぱり「マスタリングTCP/IP入門編」です。
先日,第5版が出たので,改めてひととおり読み返しましたが,内容も新しくなっていて,いろいろ新しい発見や気づきがありました。
やっぱり今でもバイブル,という感じがします。
私がネットワークスペシャリストに受かる前には,以前「ダンプ解析は,ネットワークの基本」でも書いたダンプ解析については知らなかったので,ひたすら本を繰り返し読んでいました。
5月ぐらいに読み始めて,最初は半分位しか分からなかったのですが,繰り返し読んだり,他の本で調べたりしてるうちに,試験前には完全に消化できていました。
受かった後で,教えるときには,ダンプ解析の存在を知って,「これは使える!」と思って,いろいろキャプチャして解析していきました。
ダンプ解析をしながら「マスタリングTCP/IP入門編」を読むと,それほど無理なく,繰り返し読むことにつながりますので,楽しく学習できると思います。
ただ知識を知りたいだけでなく,本当に物事を身につけたいときには,「繰り返し学習」というのは,とても大切です。
1冊の良書を,繰り返し読む,ということは,自分の実力を一段高いものにするときに,とても役立ちます。
今の時期に,そういったバイブルになりそうな本を読むことは,すごくおすすめです。
あせっていろいろ手を出す前に,基本をしっかり,固めていきましょう。