株式会社わくわくスタディワールド

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ITパスポートの難化

去年の11月から始まった,ITパスポートのCBT試験。
私も初日に受けてみましたが,その時の感想としては,「なんか思ったより難しい・・・」という感じでした。
そして,その後,受験した人の意見をいろいろ聞いても,「思ったより点数が低い」という人が多いです。
900点どころか,800点以上を取るのも,結構大変なようです。
統計資料(PDF)によると,平成24年4月の合格率は29.3%ですし,平成23年11月からのトータルでも,合格率は37.4%です。
紙の試験だったときには,高度区分に合格するような人だと,900点ぐらいは当たり前,ぐらいの感じだった気がします。
実際,平成23年秋期のITパスポートの合格率は,61.2%ですし,かなり低くはなっています。
CBTでの試験は,単純に1問10点,みたいな素点方式ではなく,IRT(Item Response Theory:項目応答理論)という方式を使います。
IRTだと,平均点付近に点数が集中しやすくって,高得点が出にくいのかな,と思って,試しにグラフを作ってみたのですが,どうもそうではないようです。
下のグラフは,平成23年秋の紙ベースの時のITパスポート試験の点数分布と,CBTでの平成24年4月まで全体の得点分布を,%(パーセント)で表したものです。

20120523itpassport

これを見ると,全体的に,CBTの方が点数が低くなっているのがわかります。
CBTの方が,平均点付近への集中度は高いですが,それ以上に,平均の山の位置が,600点台から500点台に大きくずれている感じです。
これは単純に,「点数が取りにくくなって,難しくなった」と考えていいんじゃないかな,と思います。
実際,「今までの過去問題で勉強していっても,解けない問題がいっぱいあった」という声も聞いていますし,ITパスポートだからといって油断していると,なかなか受からないんじゃないかと思います。
その分,歯ごたえのある試験にはなっていますので,ベテランの人が自分のIT基礎力を見直す時には,役に立つ試験になっているようにも思います。
いずれにしても,「軽く勉強しただけで取れる」試験ではないのがITパスポートです。
いつでも受験できるようになりましたし,受ける時には,しっかり勉強してから受けるようにしましょう。