株式会社わくわくスタディワールド

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ネットワークスペシャリストの試験範囲の変更

去年,平成23年秋のネットワークスペシャリストの午後試験では,久しぶりに待ち行列理論が出題されました。
何年も出ていなかったので,ちょっとノーマークでしたが,呼損率も出てきたりして,昔の出題内容に少し戻ったような感じでした。
ちなみに,私が最初にネットワークスペシャリストに合格した平成11年以前には,待ち行列理論の問題は定番中の定番でした。
待ち行列必勝作戦―ネットワークスペシャリスト試験」なんて本も出るぐらい,「待ち行列を制するものは試験を制す!」ぐらいの扱いでした。
だんだん出題頻度も低く,問題も易しくなっていっていて,ネットワークスペシャリスト試験という名称に戻ってからは,去年までは全然出題されていませんでした。
ということで,また今年も待ち行列の問題が出るのかな,と思っていたのですが,どうもその可能性は低そうです。
というのも,今回改定された,情報処理技術者試験の「出題範囲」および「シラバス」改訂版,「試験要綱Ver1.5(PDF)」では,午後の試験範囲が一部変更されているのです。
ネットワークスペシャリストの午後の試験範囲のおもな変更点は,「「情報処理技術者試験の出題範囲」改訂版(変更箇所表示版)」によると,以下の点になります。
1.新項目「ネットワーク・アプリケーション技術に関すること」の追加
 新たに5番目に項目が加わり,以下の内容が追加されました。

 5.ネットワーク・アプリケーション技術に関すること
  電子メール,ファイル転送,Webアクセス技術,アプリケーション間通信,コンテンツ配信など

2.内容の追加・変更
 「信頼性設計技術,符号化・データ伝送技術」及び,「その他規格」「現行システムからの移行技術」が追加され,「トラフィック技術」が「トラフィックに関する技術」に変更されました。
3.内容の削除
 「3.ネットワーク技術・関連法規・標準に関すること」から,「要素技術,待ち行列理論」が削除されました。
全体的に,新しい技術への移行や,アプリケーション技術の重点化,という方向での変更です。
その流れで,さりげなく待ち行列理論がなくなっています。
だからといって完全になくなるか,といったら,出てくる可能性は0ではないのですが,わざわざ消したことには意味があるとは感じています。
方向的には,数学的な理論を固めるよりも,Web系のアプリケーション技術,仮想化技術(信頼性設計技術,トラフィックに関する技術など)に重点を置く学習が大切です。
この試験範囲の一部変更は,今年秋から変更だそうですので,秋試験を受験される方は,変更箇所をチェックしておくといいと思います。
ネットワークスペシャリスト試験の場合,もともと参考書の内容が古めなことが多いので,新たらしめ技術はある程度自分で補う必要があります。
過去問題に加えて,世の中の動向なども押さえながら,対策をしていきましょう。