勉強して意識を変える

最近読んで感動した本に,「ねこ背は治る! ──知るだけで体が改善する「4つの意識」」があります。
この本はねこ背を直す本ですが,トレーニングをしたり頑張ったりする本ではありません。
体に対する意識を変えることで行動を変える,という本です。
確かに,本に書いてあるようなところに意識を向けると,あっというまにねこ背は改善しますし,呼吸も深くなります。
内容も面白いのですが,改めて,「一般常識として思い込んでいること」が実はそうじゃない,ということも多いんだなぁ,と感じました。
実はこの,「ねこ背は治る! 」の本の中にも書いてあるのですが,良質な知識は,勉強してそれを知るだけで,今までの意識をガラリと変えることがあります。
ねこ背の本だと,それは「肩甲骨の知識」だったりするのですが,確かに,肩甲骨についてきちんと知ると,体の動かし方が変わってくるのが分かります。
同じように,IT関連の知識でも,きちんと知ることによって意識が変わってくるものって,いっぱいあるように感じます。
私の経験で真っ先に浮かぶ,きちんと知ることで仕事のときに意識が変わったものに,「OSI階層モデル」があります。
ネットワークの勉強をすると出てくる,「物理層,データリンク層,。。。。」という定番の7階層です。
この7階層を,単に覚えるのではなく,深い知識としてその意味や役割が腑に落ちたときに,見えてくるものが変わりました。
その当時,Web系のエンジニアで,ネットワークのトラブルシューティングをしていたのですが,トラブルが起きた時の対処法が,明らかに変わりました。
昔だと,トラブルが起こったらその状況に気を取られて,全体を見ることはしなかったのが,まず状況を大局的に見て,OSI階層モデルのどの層あたりかを考えてから動くようになりました。
トラブル解決の速度と精度が,格段に上がったのを覚えています。
データベースの正規化などは,業務でやる前に勉強したので,それで変わったという意識はありませんが,知らなかったら多分,苦労しただろうな,というのは予想できます。
もちろん,試験勉強以外でも,勉強することで意識が変わることはいろいろあると思います。
プログラミングや開発手法などは,ただ実際に組むというだけでなく,達人が書いた本を読むことで,「なるほど!こう考えればいいんだ!」と気づくことも多くあります。
「達人プログラマー―システム開発の職人から名匠への道」や,「コードコンプリート―完全なプログラミングを目指して (Microsoft PRESS)」などを読むことで,先人の知識を自分の中に取り込んで,意識を変えることができます。
ちなみに,「コードコンプリート」は,新しい版が出ていて,「Code Complete第2版〈上〉―完全なプログラミングを目指して」と「Code Complete第2版〈下〉―完全なプログラミングを目指して」の2巻に分かれているんですね。
ただやみくもに,新しい知識を覚えることを勉強だと思うと,つらいと思います。
新しいことを知って,自分の意識を変えたり,視野を広げるのが本来の勉強です。
新しいものに,「こんなのがあるんだー」と感心しながら,楽しく勉強していきましょう。