「自信過剰な人」は受かりにくい

IPAのセキュリティセンターが発表している資料で,面白いものを見つけたのでシェアします。
IPA テクニカルウォッチ
『情報セキュリティに関する被害と個人属性』のレポート
~自信過剰な人は被害に遭いやすい傾向にあることが明らかに~
セキュリティ被害に遭いやすいのは,「自信過剰な人」というのが,統計的に有意に言えたというレポートです。
中身を読むと他にも,「意識的なセキュリティ対策」を行うと被害に遭いにくくなるとか,ネットカフェやネットオークションの利用者は被害に遭いやすいとか,いろんな統計結果が出てきています。
確かに,会社でセキュリティの問題をいつも起こしてくれていた人は,やたら自信過剰な取締役だったなぁ,というのを思い出しました。
そして,個人的に面白かったのは,「自信過剰度」の出し方。
アンケートといいながら,テストみたいに「これを知っていますか」「こういうときどうしたらいいですか」的な,知識を聞く問題を何問も出題しています。そこから,本人の「知識」を判定しています。
そして,自分がセキュリティに詳しいと思っているかどうか,という自己評価をアンケートします。そこで,本人の「認知」がわかります。
そこから,その「知識」と「認知」の差異が自信過剰度となります。
こういう風に分析しているのをみると,試験勉強でも,「自信過剰度」っていうのが割り出せるかな,って感じました。
自分が「できる」と思っている度合いと,実際の点数の差異が,自信過剰度です。
私の10年以上の講師経験からくる感覚だと,自信過剰度が高い人は,ほとんどの場合は合格レベルからほど遠い感じです。
先日,論文採点の時に,「文章が早く書けないので,規定字数までなかなか書けないから合格できない」と言っていた人がいましたが,実際に論文を読むと,それ以前に題意が全然あってなくって,論旨も全然一貫していない,明らかなD判定の答案でした。
あと,「自分は○○社の社員だから,講師が効率良くポイントを教えてくれさえすれば,講義以外で勉強しなくても合格できる。私は仕事で忙しいのだから,そうすべき。」といったようなことをアンケートに書いてくる某有名会社の社員もいました。
多分,どんなに優秀な社員でも,勉強しないと試験には受からないんじゃないかな,とは個人的には思ってます。
今の時期,模擬試験などを受けたり,自分で試験問題を解いて採点してみる意義は,「現在地を知る」ことにあると思っています。
自分の現在地を,正確に認識して,謙虚に自分のやる必要があることを考えること,それが合格につながると考えています。
ついつい,自分はかわいいので,実際より「できる」と思ってしまいがちです。
その自信過剰は,「勉強しなくても何とかなるかも」という根拠のない行動につながります。
ですので,それを手放して,冷静に謙虚に自分の姿を見るということは,自分を進歩させるためには大切です。
あと4週間,自分の現在地を客観的に確かめながら,合格の方向に歩んでいきましょう。