株式会社わくわくスタディワールド

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紙の試験の魅力

ITProの記事で,「受験者半減で岐路に立つITパスポート 「いつでも受験できる」が裏目に」というものが出ていました。
先日,「ITパスポートの使い方」の記事で書きましたが,ITパスポートの受験者は,CBT化してから,半分ぐらいに落ち込んでいるようです。

改めて考えてみると,確かに,「気軽にいつでも受けられる」ものは,なかなか受けにいかなくなりがちですよね。
特に,ITパスポートは,IT関連の技術者にとっては,正直「取って当たり前で,取ってもあまり意味はない」ものでもありますので,CBTでわざわざ受けにいかないというのも,普通のような気がします。

私自身,半年に1回ある,春と秋の情報処理技術者試験は毎回受け続けていますが,ITパスポート試験は,初日に受けに行ったっきり,「そのうちまた受けに行こう」と思いつつ行っていません。
ということで,なんとなく受けにいかない理由を考えてみました。

CBTの試験で,私が一番つまんないな,と感じていることは,「後で確認や復習ができない」ことです。
後で点数が表示されるだけなので,何が間違っているのか確認できません。
そうすると,後で復習できませんし,実力向上にはつながりません。

個人的には,最初に受けたITパスポート試験は,ストラテジ系1000,マネジメント系1000,テクノロジ系870で合計925点でした。これだと,で1000点(満点)取れている分野は全部あってたんだな,と確認できても,間違えた分野は,どこを間違えたのか確認できません。
特にこのときは,テクノロジ系で何問も間違えたという自覚がなかったので,なんか不本意な気分にもなりました。


これが,紙の試験だと,試験内容も持ち帰れますし,後で確認もできます。
先日受けた第1級アマチュア無線技士の試験は,試験問題が持ち帰れたので,過去問集などで同じ問題を確認しながら,採点がてらいっぱい復習しました。
前回の試験では落ちてしまっていたのですが,こういう確認を行うことで,間違えた問題を理解することができて,実力も伸ばしていけると感じています。

よく研修などで,「模擬試験は受けて結果が帰ってくることが大事なのではなく,受けた問題を確認して復習することで,実力が伸びる」という話をしています。
受けて受けっぱなしだと,記憶にも残りませんし,同じ問題が出たとき,また間違えてしまうということになりがちです。

試験を受けることの効用には,おもに次の3つがあると考えています。

 1.合格することで,自分の実力を客観的に証明できる
 2.試験の結果を見て,自分の現在地を知ることができる
 3.試験を受ける,そして復習することで,実力を伸ばすことができる

CBTだと,1.2はあっても,3がないように思います。
でも,長期的に見て,実力を上げるという意味では,実は3が一番大切なようにも感じています。

個人的には,受けた後の試験はなるべく徹底的に復習するようにしています。
これは単に,私が試験結果についついこだわってしまうタイプだから,という性格的なものも大きいので,やりたくなかったらやらなくってもいいとは思います。
ただ,試験後の落ち着かない気持ち,正解が気になる気持ちをそのまま利用して勉強すると,その後の勉強は,すごく進むようになります。

紙の試験の魅力は,試験を受けた「その後」にも,いろいろ活用の機会があることだと思います。
明日は秋の試験,午後記述式の解答例も発表されます。
受けた試験の成果を最大限にするためにも,じっくり復習していきましょう。