株式会社わくわくスタディワールド

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最後まで全部やらなくてもいい

わく☆すた,美月です。
eラーニング実験へのご協力,ありがとうございました。
おかげさまで,30名の方にご参加いただき,無事実験を終了させることができました。
今後もいろいろ改善を加えて,楽しくて効果的な新しい教育を実現していきたいと考えています。
今回の課題として残ったのが,挫折率(事前テストだけやって事後テストまで行かなかった人の割合)の高さ。約1/3の人が,途中でやめてしまったようです。1回の学習で30分,というのは長すぎたのかな,とそのあたりも改善すべき課題として残っています。
途中まででも協力していただいた方々,ありがとうございました。
今回は,実は2パターンのeラーニング実験を行いました。
パワーポイントでの動画の説明,実際の講義映像を使ったセミナー映像での説明の2パターンを用意して,両方での効果の違いを測定しています。ランダムに振り分けていますので,人によって,楽しくない方に当たってしまう可能性もありました。
最後まで行けなかったのも,こちら側(システム,内容など)の責任ですので,どうか,罪悪感などは感じないでください。挫折率も,しっかり研究成果として卒論に記入します。^^;
ということで,今日のテーマは,「最後まで全部やらなくてもいい」です。
学校の教育では,「最後まできちんとやりとげる」ことは,とても大事なこととして,評価されます。会社の評価でも,「最後までやりとげる人」というのは,できる人の代名詞みたいなところがあります。多分,最後までやりとげることが,大切な場面も多いんじゃないかと思います。
でも,実は,「途中やめ」の方がいいこと,というのは多々あります。
例えば,参考書や問題集が自分に合わなかったり,「なにかおかしい」と感じる場合。苦労してその参考書を仕上げて過去問題を解いてみても,全然解けるようになっていない,ということはよくあります。
最後まで行くと,達成感はありますが,その分よけいに実力がつくとは限りません。
私が第一種情報処理技術者(現:応用情報技術者)を受験したときには,最初に買った午前問題集を全部はやりませんでした。計画的に,「必要な章だけ」やってから,別の参考書や問題集に移りました。
やり方としては,まず最初に目次を見て,「必ずやらなければならなさそうな章」に◎(二重丸)をつけました。苦手だったコンピュータシステムやシステム開発あたりを重点的にやろう,と3つぐらいに◎しました。それ以外に,やった方がいいところに○(丸)をつけて,そこまではやろう,と決めました。その後,とりあえずやれたらいいな,という章には△(三角)をつけておきました。時間がなければ飛ばそうというところには,印をつけませんでした。
結果的に,△がついてる章まではひととおりやって,あとは見なかったことにして(^^;)次の午後問題集に進みました。次の午後問題集も,ネットワークとかデータベースとか,当時苦手だった分野を重点的にやりました。というか,その時点で試験1ヶ月前ぐらいだったので,その「苦手分野だけ」午後対策したところで,時間切れでした。^^;
ということで,完璧にやった参考書や問題集は1冊もないまま,本番に突入。全然時間切れで,苦戦しながらも,なんとか合格することはできました。全分野やってなくても,6割できれば合格できますので,それで滑り込んだ感じです。
「完璧にこなさないと,次に進めない」と感じている人も多いですし,その気持ちもわかります。ただ実際には,最後まで完璧にやらなければ,ということ自体が足枷になっていることも結構あります。仕事でも,「ここは完璧にしておかないと」というところと,「これは8割方できれば十分なので,適当に早くした方がいい」ことの両方があると思います。
情報処理技術者試験では,「ここは完璧にしておかないと受からない」ポイントは確かにあります。ネットワークスペシャリストだったらTCP/IPの理解とか,データベーススペシャリストだったら正規化の理解とか,外せないところは確かにあります。でも,それ以外は,結構適当でもなんとかなるところも多いです。応用情報技術者だったら,きっちりやっておくべきなのは,午後の出題範囲のうちの3~5分野ぐらいかと思います。
明日から9月,という今の時期にまだ参考書などでじっくり学習している人は,途中やめしてでも問題演習を行うことをおすすめします。実際に出てくる内容とのギャップは,早めに知る必要がありますし,残り1ヶ月半なので,やることに優先順位をつける必要があります。
途中でやめたことも,後で振り返ると,意外と糧になっていることが多いものです。
途中でやめてもかまわないので始める,というぐらいの気楽な気持ちで,新しい勉強をはじめてみるのをおすすめします。