本当の「ボトルネック」を探す
わく☆すた,美月です。
そろそろ試験も終わって,落ち着いてきた頃かと思います。
改めて振り返って,試験の出来は,いかがでしたか?
試験後,いろいろ解答例とか見てみて,議論したりして,自分なりに手ごたえが感じられた人はいいと思います。心おきなく,次のステージへ進んでください。
そうでない人は,ここであえて,「なぜ振り返らなかったのか」を考えてみることをおすすめします。
なんとなく落ちてる気がして,見るのがこわい,というのはあると思います。終わったことは振り返りたくない,という気持ちも,もちろんわかります。
でも,ここで,「自分の足元を見る」というのは,実はとっても大切な作業です。
次の試験に向けて,勉強をしていく上で,今回の試験での結果は,とても役に立ちます。
単純な試験結果だけでなく,その過程で見つかった足りない点,弱点を振り返ることは,とても大切です。
「勉強不足だった」ということは,あると思います。
ただ,「何の勉強が不足しているのか」というのは,正確に見極めた方が,次の一歩が進みやすくなります。
何年も落ち続ける人の特徴には,「自分の本当の弱点を見ようとしない」という部分があります。
例えば,情報セキュリティスペシャリストの試験などに多いのは,国語力などの基礎力がないのに,「セキュリティの勉強が不足」と単純に判断してしまうパターン。「文章が読めてない」という指摘も,「技術者の試験に国語力を要求する方がおかしい」と逆切れする人もいます。
試験という以前に,文章での意思疎通のコミュニケーション能力は,社会人として必須だとは思います。
かといって,国語力の話をすると,「あ,自分が落ちたのは,国語力がなかったからだ」と決めつけてしまうパターンもあります。こういう人は,大体,単純に,セキュリティ技術など,その試験に合格するのに最低限必要な知識や理解が足りていない場合が多いです。
午前1,午前2で落ちてるような人は,まず単純に知識の勉強不足を疑ってみてください。
知識不足は,普通に勉強すれば身に付いてくるので,これが一番,次に改善しやすいところだと思います。
情報処理技術者試験の勉強は,スペシャリスト系でも,単純にその分野「だけ」勉強していても受かりません。ネットワークならセキュリティや運用管理,セキュリティならネットワークやシステム開発,データベースならシステム開発などの周辺分野も,しっかり勉強しておく必要があります。
午前問題を採点するときには,ぜひ「分野別に」採点してみてください。
そうすると,自分の弱点は,結構簡単に見えると思います。
午後問題を採点するときには,ちゃんと「知識がなかったのか」「問題文が読めてなかったのか」「解答を書くときにピントを外したのか」を区別してみてください。
知識がない,は比較的すぐにわかると思います。でも,実際,私が講義で見たり,採点したりする中で多いのは,圧倒的に,「問題文が読めてない」パターンです。
問題文が読めてないパターンの原因は,実は2つあります。1つは,「単純に国語力がなくって,文章が読めていない」パターンです。これは,国語,特に現代文を勉強しなおすことをおすすめします。
もうひとつは,「専門分野の理解が足りなくって,問題文を読んでもそこが問題だと認識できないパターン」です。これは,実は,ちゃんと1つ1つ,本質を理解しながら勉強することで,かなり改善されていきます。
問題文から,問題となりそうな点が浮かび上がってくるようになれば合格レベルです。
いずれにしても,「実際には何が足りなかったのか」という,本当のボトルネックを見つけることは,とても大切です。
ネガティブな点は,見ないままにしておくと,逆に残ってしまいます。
ぜひ,自分の本当のボトルネック,「自分は今回の試験で,何が足りなかったのか」を,振り返ってみてください。