参考書の網羅率
わく☆すた,美月です。
今日は,心の声のつぶやきです。
今日,大学で論文を漁っていたら,ある学会誌に,「高校の情報の教科書の分析」が載っていました。
主要な高校の教科「情報」での,指導要領の内容の網羅率や,その理解のしやすさについて分析をしたものです。
セキュリティ関連の用語を使って分析していたので,「トロイの木馬」とか「キーロガー」とかなじみの言語がいっぱい出てきて,内容的にも面白かったです。今の高校って,こんなことまで学習するんだ,と感心します。
ある教科書では,「ホームページ」と「ウィルス」という関連で述べられていて,別の教科書では,「ウィルス」と「ワクチン」という関連で述べられている,とか,分析している内容も楽しいです。
これを見て感じたのは,「学校の教科書は,こうやってちゃんと,内容をレビューする機会があるんだな」ということでした。きちんとチェックしてレビューするから,質が担保されているのです。
指導要領に載せられているキーワードは,どの教科書でも少なくともひととおり述べられています。分析して差があったのは,「キーワードの関連づけの仕方によって,理解度に差がある」という部分での教科書の優劣でした。
どの教科書も,少なくとも必要なことの網羅率は100%です。
振り返ってみて情報処理技術者試験。
試験範囲を網羅している参考書は,どれくらいあるんだろう。。。と改めて感じてしまいました。
市販されている参考書でも,「まず間違いなく出てくるようなこと」が抜け落ちている本はいっぱいあります。例えば,今回のネットワークスペシャリストの試験に,EAP-TLSが出てきました。これは,ほぼ毎年頻出しているテーマで,今回も出てくることは十分に予想された範囲でしたが,全然,あるいは言葉しか触れられていない参考書も実は結構あります。
セキュリティの参考書なんて,「必要な分野」がごっそり抜け落ちている,という場合もあります。セキュアドの参考書を改訂したような本や,適当に他の分野の参考書から取り出してきて,セキュリティの解説があんまりない,とかもあります。
一度,参考書を調べて,試験に出てきたことの網羅率を検査したら,面白いんじゃないかと感じました。
今市販のものだと,かなり低いものも多いと思います。
昔に比べて,精度が落ちてきていて,網羅率が下がっているものも多いと思います。
いずれにしても,「この内容は,試験に本当に合致しているだろうか」ということを,確かめる目は持ちたいものです。