株式会社わくわくスタディワールド

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シンプルに,的を射た解答を書く

最近,遅ればせながら「Think Simple ―アップルを生みだす熱狂的哲学(kindle版)」を読んで,シンプルというアップルの哲学に感銘を受けています。

いろんなことをもっとシンプルにしていければ,もっと風通しのよい,わかりやすい世の中になりそうだな,って感じています。

ということで,今日は試験の答案の「シンプルな」書き方についてです。

よく講義で,「○○字以内,というときには,何文字ぐらい書けばいいですか?」と聞かれます。
これについては,特に制限はありません。
たまに,「8割ぐらいは埋めないと」「ギリギリに埋めた方がよい」という人もいますが,このあたりは別に,決まったルールはないです。

基本的に,記述式の答案は,「必要なことが過不足なく」書かれていれば正解です。
ですので,大事なポイントを簡潔に書いてあれば,字数は少なくても正解です。

もともと,記述式の字数制限は,想定される答えに合わせて設定されます。
ですので,だいたいちょうどよく収まるぐらいにはなってはいます。

ただ,文章なので,言い回しや書き方によって,同じことを言うのにも複数の言い方があります。
ですます調にするかである調にするか,また漢字を使う頻度でも差が出てしまいます。
ですので,字数はあくまで「目安」で,制限字数内に収まっていれば,あとは内容だけが判断のポイントになります。

具体的には,「リクエストのURLに含まれていたセッションIDを,レスポンスでクッキーとして発行していた(44字)」という解答と,「リクエストのセッションIDを,クッキーに使った(23字)」という解答は,意味は同じなので両方正解です。
半分ぐらいの字数でも,必要なことがシンプルに満たされていれば問題ないのです。

逆に余計なことを加えすぎると,減点されることもあります。
さっきの解答で,字数が足りないからといって,「リクエストのセッションIDを,クッキーに使ったため,セッションIDが漏えいした」など,特に問題の内容と違うことを付け加えてしまうと,かえっておかしな解答になります。

模擬試験などの採点をしていると結構,「余計なこと」を付け加えている人は多いです。
これはかえって点数を落とすことにもなりますので,ムダなことは書かないように気をつけた方がいいと思います。

問題演習の時も,「的を射た答えを書いているか」と同時に,「よけいなことを書いていないか」もチェックしてみるのがおすすめです。

よけいなことをなくすという意味では,論述式の答案は,あまり長く書かない方がいいです。
よく,「論文は長く書いた方がいい」と思い込んでいる人がいるのですが,別にそんなことはありません。
経験的には,字数いっぱいに書いてある論文は,合格レベルではないことが多いです。

字数ぎりぎりでも,必要なことが書けていれば合格になります。
内容的には,各設問で最低字数+200字ぐらいで書ければ,あまり無理なく,その論文の合格に必要な条件は満たせると思います。

多く書いても,それが問題で求められていることでなければ,あまり意味がありません。
採点官が読むのも大変になりますし,心証的にも良くないと思います。
論旨の一貫性という意味でも,あまり余計なことを入れない方が,まとまりのある答案になります。


小学校や中学校の作文では,いっぱい書くと,内容はともかく,「よく頑張ったね」とほめられることが多いような気がします。
でも,仕事の書類などは,やたら長いと読みにくいだけですし,業務の効率も下がります。
シンプルに,必要十分な内容にまとめることがベストです。

「記述式が全然書けない」という方は,まずはとにかく書いてみるということは大切です。
でも,ある程度書けるようになったら,よりシンプルに,問題の的を射た答案を書けるように練習していきましょう。