試験で測れる能力と測れない能力
わく☆すた,美月です。
私は,大勢の人と,雑談に臨機応変に対応して話す,ということは苦手です。
1対1で話すと,たいがい相手に押し切られてしまいますし,キャッチセールスなどを断るのも苦手です。^^;
ただ,じっくり延々とものを考えるのは得意です。「これってどんな仕組みになってるんだろう」「どうやったら問題解決できるんだろう」というのを,ずっと考え続けて,順に紐解いて解決していく,というのは,かなり好きな作業です。
それで,複雑なネットワークトラブルを解決したときには,「自分ってなんて素晴らしいんだろう」と思う反面,目の前の押しの強い人に,議論でやりこめられて,「自分って,頭の回転,悪いなぁ」と自分がイヤになったりします。
最近よく感じるのは,頭が良いとか悪いとかいうのは,一面的なものじゃないということです。
ペーパーテストで測れる能力には,限界があります。「試験でその人の実務能力がすべてがわかるわけじゃない」というのはその通りですし,紙の上のテストで測れることと測れないこととがあるというのは,ある意味当たり前です。
ただ,それでも,試験ではある程度,実務のことを考えて,それと関連したところを聞いてきます。
例えば,ネットワークスペシャリストだったら,「できるネットワーク技術者は,こういう考えで,こういう風に問題解決する。でも,できてない技術者はこうやってやるので解決できない。」というような実際の事例や経験則がいっぱいあって,そういった事例を簡略化して問題にしてきます。
なので,完全には実務と一致しませんが,ポイントを突いて出題してくるので,実務能力は結構反映されます。
ただ,ペーパーテストなので,実務に関係あるけど,反映される能力と反映されない能力があると感じてます。
確実に反映されるのは,論理的に物事を考える,論理的思考力。
これは学校でも良くテストで出される,一番ペーパーテストで測れる能力なので,簡単に測れます。これは,あまりごまかしの効かない形で,テストになると如実に浮き彫りにされる能力です。
あと,単純に知っているかという博物的な知識は,必要以上に良く聞かれます。
専門知識は,それ自体ではなく,その知識を使って問題解決ができるレベルになることが重要なので,それを覚えているかどうかはあまり実務では重視はされません。ただ,これは「知ってる/知らない」で採点しやすいので,ペーパーテストでは結構いっぱい出てきます。
逆に,一番反映されにくいのは,対人的能力。
特に,口八丁手八丁で,クライアントをなだめて,納期遅れを納得してもらう,とかいった形の交渉能力は,試験では全然関係ありません。飲み会で盛り上げる能力,お客さんと飲みに行って仲良くなって,仕事を回してもらう能力,というのは,実務では役立ちますが,ペーパーテストでは測れません。
対人的なコミュニケーション能力は,試験では,直接の会話ではなく,文章で聞かれます。
なので,実務とは直接的につながってないような気がするのですが,間接的には聞いています。「お客さんとのコミュニケーション」->「試験問題とのコミュニケーション」という形で,実際の業務とまったく同じではないですが,同じことを聞こうとしています。
なので,問題文とコミュニケーションがうまく取れないと,試験に合格出来ません。
そんな感じで,試験で問われる能力には,実務とは若干「ずれ」があります。
ただ,私の感覚では,その「ずれ」は,ことさら強調するほどには大きくはないんじゃないかな,とも感じてます。大枠において,実務で評価される能力と,試験で問おうとしている能力は同じです。
なので,試験対策としては,実は正攻法で,実務でも使える専門的な技能を身につける,というのが一番大切です。
その上で,ペーパーテストならではの,文章でのコミュニケーション能力や,専門知識を覚えて身につける,というところまでやれば完璧なんじゃないかな,と考えてます。
試験と実務がある程度違うのは当たり前なので,そこにフォーカスを当てずに,共通点を中心に勉強していきましょう。