株式会社わくわくスタディワールド

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基礎学力をつける前に試験勉強をしない

わく☆すた,美月です。
ちょっと調子を崩してしまってしばらくブログの更新が止まってしまいましたが,なんとか復活です。
やっぱり病み上がりは,あまり無理は効かないですね。
仕事も遊びも,あまり頑張りすぎないように徐々に復調させていきます。

最近は,落ちてしまった筋肉を戻すべく,ウォーキングを中心に,少しずつ体を鍛えるようにしています。
ランニング・コア・メソッド」という本を参考に,体幹を中心に少しずつ,筋トレをしています。

その本にあって,目から鱗が落ちたのが,「腹筋が10回できるようになるまでは,走るのを避けたい」という言葉です。
体幹の筋肉がしっかりしていないうちに走ると,足でバランスをとるようになり,走るフォームがおかしくなります。ですので,ちゃんと筋肉がつくまでは走らない,というのは理にかなっているのです。

私はまだ,開腹手術後で腹筋するとお腹が痛いので,走れるようになるのは秋ぐらいかなぁ,と感じています。
それまでじっくり,あせらず治していこうと考えています。

ということで,ランニング話が長くなってしまいましたが,これは勉強に関しても同じことが言えると感じています。

セミナーなどで時々,びっくりするような誤解の仕方や,変な方向で勉強を頑張りすぎた方を見かけます。
典型的な例では,試験問題の文章はほとんど読めないのに,テキストや過去問の解答は全部覚えている,といった感じの方です。

理解の伴わない暗記を繰り返していても,選択式のテストでは高得点が取れるようになりますし,学校のテストなどではそれで突破できる時も多いです。
でも,この勉強法は,記述式の試験になると,通用しません。
ちゃんとわかっていないと,文章で表現することはできないからです。

理解せずに文章を読んでいる人の中には,時々ものすごい誤解をしていることがあります。
例えば,「ハッシュ関数と言えば改ざん防止のはず。認証なんて関係ないからおかしい。」みたいなことを言われたことがあります。
1つの用語に1つの意味だけ対応させて覚えると,試験問題に臨機応変に対応できなくなり,危険です。

このあたりの根本原因は,「文章をちゃんと読めていないこと」にあると考えています。
文章をちゃんと読む,には2種類のことが必要で,この両方が揃っていない場合にやみくもに試験勉強を行うことは危険です。
その2種類とは,次の2つです。

1.国語的な意味で,文章をちゃんと読みこなせること
2.スキル的な意味で,文章の内容をちゃんと理解できること

今まで長年見てきた感覚として,1が苦手な人は,本や参考書を読んでも勉強が身につきにくいです。
本に書いてあるはずのことを見落としたり,勝手な解釈で誤解していることが多いのです。
文章を正確に読むというのは,試験だけでなく実務でも大切なスキルですし,しっかり身につけておかないと,いろんな場面で問題が起こります。

そして,2は,段階の飛び越しをすると,これが満たせていないことが多いです。
よく,仕事の必要性にかられて,いきなり情報セキュリティスペシャリストを受験したりなど,段階を飛び越す方は見かけます。
この場合には,高度午前1の勉強をしっかりするなど,基本的な全般のスキルを身につけてからでないと,試験の内容自体が理解できないと思います。
試験を受ける必要は特にありませんが,段階的に知識を身につけていくことは大切です。

いずれにしても,試験勉強を行う前に,その試験勉強を行う前提となるスキルがないと,勉強自体に苦労しますし,効果も上がりづらいです。
何年も苦労して勉強して合格できない方には,1の国語力が足りない方が多いと感じています。

この場合には,一度しっかり国語力を身に付けてから勉強した方が,結局は近道です。
国語力のつけ方に関しては,以前「国語力を身に付ける」や「国語力をつける,もう1つの方法」という記事を書きましたので,こちらを参考にしてください。

ランニングにおける腹筋などの体幹の筋肉は,勉強における国語や数学などの基礎学力にあたるのではないかと,最近は感じています。
基礎学力なしに無理に試験勉強をすると,変な勉強の仕方をしがちで,頑張っている割に成果がでないということになりがちです。

試験まであと4カ月ある今の時期は,勉強の内容よりも,基礎学力をつけることが特におすすめです。
基本的に,情報処理技術者試験の勉強は,試験勉強自体に必要な期間はそれほど長くなく,高度区分だと3カ月前後が普通です。
まずは焦らず,基本を固めることが,その後の飛躍につながります。

基本の勉強は地味ですが,あらゆることを学ぶ上で大切なことです。
一歩一歩,足元を踏み固めていきましょう。