どうすれば理解できるか(2)
わく☆すた,美月です。
昨日,「どうすれば理解できるか(1)」で,まず,「理解できるレベルまでさかのぼって学習する」ことについてお話ししました。
今日は,それとはもう一つ,別の視点から,理解できるようになる方法をお話したいと思います。
それは,「とりあえず,わからないことでも飼っておく」ことです。
以前,「資格試験に共通の勉強法」でも紹介しましたが,わからないことを,わからないなりに頭に置いておくというのは,実力をアップさせる上でとても効果があります。
勉強するときには,その場で理解しながら,納得しながら勉強する,そして理解できないならもっと前のステップに戻って学ぶというのは基本だと思います。でも,完全に100%理解しようとすると,勉強が前に進まなくなってしまいますし,ある程度わかれば次に行ってもいいのかな,とは考えています。
わからないことを,「これがわからなかった」ということを認識しながら,それを疑問点として頭の中に入れておきます。そうすると,ある瞬間にふと「わかった!」という感覚がやってくることがあるのです。
例えば,私は,マスタリングTCP/IPを読んでいて,ルーティングの部分がいまいちよくわからなかった,ということがありました。「全体的には大体わかるけど,このルーティングの章はなんか理解しづらいなぁ」と感じつつ,それでも読み進めてひととおり学習しました。
それが,一気に腑に落ちたのは,その後,CCNAの勉強をしているときでした。ルータの実際の設定例や,具体的なコマンドを学習しているうちに,感覚的に「ルーティング」というものが理解できるようになりました。その後,実際に仕事で機器を設定したりして,ルーティングの流れが感じられると,むしろこのあたりは得意科目になりました。
そんな感じで,別に全部理解しようとしなくても,その場は「わからないけどとりあえず進む」というやり方も有効です。
ただ,わけもわからずに,ただいっぱい覚えるのは,逆効果になることも多いです。
人間,機械的な暗記能力にはキャパシティが決まっているので,わからないで飼っておくものの分量が多すぎると,オーバーフローしてしまいます。ですので,ある程度の数は「わからない」ということで済ませていてもいいですが,ほとんどがそれだと,学習効率は格段に落ちてしまうと思います。
ですので,基本は,「理解できるレベルの学習」です。80%ぐらいは,読めばわかる,聞けばわかるぐらいの学習は,やっていて面白いですし,とても効率的だと思います。100%わかるならやさしすぎますし,50%以下だと,苦痛の方が多くなってしまうと思います。
基本,理解できる部分から学習しつつも,わからなかったらしばらくは頭で飼っておく,ぐらいの学習が,楽しく効率的に学習を進めるときにはおすすめです。