ほどほどに勉強する

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ということわざがあります。
度が過ぎることは,足りないことと同じぐらいよくない,と言う意味です。
いいことだと思っていることも,やればやるほどいいわけではなく,やり過ぎるとかえって問題が出てくることもよくあります。
勉強って,なぜか,「やればやるほどいい」って思ってる人が多いような気がします。
でも,やりすぎるとかえって弊害が出てくること,というのはよくあるのです。
例えば,過去問演習を行う時,「理解できるまで繰り返す」というのは必要ですし,やった方がいいと思います。
でも,それを超えて,「過去問を全部暗記する」ところまでいくと,やりすぎです。
私が見ている限りでは,答えを覚えるところまで行ってしまうと,かえって柔軟性が失われて,受かりにくくなるようです。
過去問だと完璧な答えが答えられるんだけど,本番で書けない,という人は,完璧な解答を覚えすぎて身動きがとれなくなっている可能性があります。
こういったときには,適当に同じ勉強から離れてみるのも大切です。
過去問演習にこだわるよりも,基礎をふり返ってみるという方法もありますし,いっそしばらく,勉強から離れてみるのもありです。
知識は実は,「あればあるほどいい」と思いがちなのですが,変に詰め込みすぎると,ものを考えることの邪魔になることもあるからです。
知識の内容は高度になればなるほど,「絶対的な正解」はなくなるため,単なる暗記では対応できなくなります。
「これを覚えればOK」という方向での勉強をやりすぎると,新しいことの学習の妨げにもなってきます。
完璧にやろうとすること自体が,足を引っ張ることもあるのです。
かといってもちろん,勉強しなくってもOK,ということではありません。
当たり前ですが,まったく何もしないで知識が身につくことはありませんし,ある程度の勉強は,どんな場合でも必要です。
大切なのは,適度なバランスで,ほどほどに勉強することです。
頑張りすぎず,かといって手を抜くわけでもなく,というぐらいの,無理なく進めるぐらいの勉強がちょうどいいです。
このあたりは,自分でやりつつ調整していけばいいと思います。
もちろん,体調や仕事の環境など,状況によってもできる勉強は変わってきます。
無理して,勉強をやりすぎてしまうと,反動がでてくるのであまりおすすめしません。
かといって,完全に離れてしまうと,もう一度勉強の習慣をつけるのは大変なので,少しずつでもやり続けた方が,結局は楽ではあります。
夏休みは,人によっては勉強に使える時間だとも思いますし,逆に家族サービスの時間の方も多いと思います。
その場の状況に合わせて,できる範囲でほどほどに勉強すると,バランスがとれていいです。
急ぎすぎず,でも歩みを止めず,適度なベースで進んでいきましょう。