東京-熊野の行き方1 ~公共交通機関編~
先日所用があって,和歌山県の新宮駅から,千葉県の柏駅まで往復しました。
すると,東京駅で乗り換えてさらに30分かかるはずなのになぜか,東京都区内までよりも運賃が安かったのです。
。。。その理由は後で明かしますが,熊野から東京への行き方には,いろいろあります。
基本的に値段が高いほど早く移動できますが,それ以外にも細かい違いがあります。
というところで,1年間に熊野と東京を20往復はしている私(美月)が,熊野(特に和歌山県南部の山間部あたり)から,東京近郊への移動の仕方とその価格を紹介していきます。(料金は2016年6月現在です)
旅行者として来てみたい方,二拠点生活で熊野と往復される方は参考にしてみてください。
1.電車(新幹線+特急南紀)+路線バス
ここ本宮町にある熊野本宮大社に向けて旅行に来る場合の,一番オーソドックスな方法としては,電車で新宮駅まで来て,そこから路線バスという流れとなります。
具体的には,東京から名古屋まで新幹線で,そこから特急“南紀”を使って新宮駅まで来て,さらに路線バスで熊野本宮大社まで,という形となります。
料金は,電車は片道15,070円(乗車券9,470円,新幹線自由席4,100円,特急自由席1,500円,特急料金は新幹線と連続で買うと半額になります)です。
指定席だと,新幹線が530円,特急が160円のプラスになります(平日の場合)。
ちなみに,先ほどの千葉県の柏までだと,乗車券の片道が10,120円になりますが,運賃計算の営業キロが600kmを超えて往復割引が適用される区間になります。
ですので,往復すると往復割引が適用されて18,300円となり,東京までの往復(9,470×2=18,940円)よりもむしろ安くなるのです。
逆に,東京都区内までだと,和歌山県南部では古座から乗ると,往復割引が適用されます。
この方法の残念な点としては,1日片道4本しか特急南紀は走っていませんので,時間にかなり制約があることがあります。
例えば名古屋行きでは,新宮発9:13の後は12:44になるため,3時間以上時間が空くことになります。
路線バスは,新宮駅から熊野本宮大社までだと1,540円になります。
本宮大社は路線バスの特急も止まりますし,熊野交通,奈良交通など複数の路線もありますので,意外と本数は多めで,1時間に1本ぐらいはあります。
現在のバス時刻表(平成28年12月1日から)はこちら(PDF)です。
#それが多いのか?というツッコミもありますが,他の山村部のバス停に比べれば大分多いです。^^;
かかる時間は,東京駅から新宮駅までが,だいたい5時間20分です。
路線バスは,新宮駅から熊野本宮大社までだと,だいたい1時間1分かかります。
まとめると,東京-熊野本宮大社までは,料金が16,610円(全部自由席),かかる時間が6時間30分ぐらいといったところです。
結構時間もお金もかかりますが,飛行機などに比べると,比較的止まりにくいというメリットがあります。
2.飛行機(羽田-南紀白浜)+路線バス
時間的に圧倒的に早いのが,南紀白浜空港まで飛行機でやってくることです。
羽田から南紀白浜までが1時間15分,南紀白浜から羽田までが1時間10分です。
1日片道3便しか走っていませんが,乗ればあっという間に東京,という感じです。
料金は,正規料金は32,500円(通常期)ですが,各種割引(特割28など)もありますし,逆にピーク期は料金があがるので,時と場合によって大きく変わります。
また,運行会社がJAL1社で,羽田空港にいく便しかありませんので,割引も競合がある関西空港などと比べると少なめです。
具体的な最安値だと,今(6月)から9月の平日朝の便を75日前までのウルトラ先得で予約すると片道14,000円になり,電車よりも安くなります。
ただ,現実的には,そんなに早く予定が確定することは少ないと考えられますので,28日前までの先特割引(タイプA)の16,300円ぐらいが妥当な線です。
路線バスは1日片道1便のみ,南紀白浜空港~熊野本宮大社~新宮駅の間を,「快速熊野古道号」が走っています。
運賃は,白浜空港-熊野本宮大社までで2,500円で,所要時間は2時間22分です。
バスで田辺駅前まで出て乗り換えれば,1~2時間に一本ぐらいはバスがあります。
現在のバス時刻表(平成28年3月26日から)はこちら(PDF)です。
南紀白浜空港発着便の一番の注意点は,“運休が多い”ことです。
止めてもビジネスに影響がある人が少ないからか,ちょっとした悪天候ですぐに止まります。
条件付き渡航(羽田に引き返すか関西空港に着陸)となることも珍しくありません。
私の経験だと,かなりの確率(2~3割ぐらい)で条件付き渡航になりますし,運休も2回経験があります。
いざというときのバックアップ経路はきちんと考えておく必要がある移動方法です。
まとめると,羽田-熊野本宮大社で,料金が18,800円(先得割引・通常期,熊野古道号),かかる時間は4時間25分ぐらいです。
バスは止まるバス停が多く,結構時間がかかるので,飛行機よりもバスにのる時間が長いくらいになります。
3.夜行バス(東京-新宮)+路線バス
交通費を安くすませるときの王道,高速バスです。
大宮駅から池袋,新宿,横浜(YCAT)経由で新宮駅まで,夜行バスが出ています。(時刻表はこちら)
料金は日によって変わりますが,最安値の早割で,新宿駅/池袋駅-三交新宮駅前まで9,500円です。
早割は乗車日を含め14日前までで,それを超えると500円上がります。
時間は新宿駅西口22:10-三交新宮駅前7:40なので,9時間30分かかります。
三交新宮駅とJR新宮駅はすぐ近くですので,路線バスへの乗り換えは問題ありません。
まとめると,新宿-熊野本宮大社までは,料金が11,040円(早割最安値),かかる時間が10時間40分ぐらいといったところです。
結構時間もお金もかかりますが,飛行機などに比べると,比較的止まりにくいというメリットがあります。
4.電車(新幹線+特急くろしお)+路線バス
電車での行き方にはもう1パターンあって,新幹線で新大阪まで行って,特急くろしおで紀伊田辺まで乗り,そこからバスという手があります。
1の名古屋から南紀に比べると時間も料金も多めにかかりますが,くろしおは本数が多く,1時間に1本走っているため,時間の都合がつけやすいという利点があります。
また,台風など気候的な条件で特急が止まる場合には,南紀とくろしおが同時に止まることは少ないので,台風の進路などを確認しながら,どちらが走っているかを見極めて移動できます。
バックアップの経路として,くろしお経由を頭に入れておくと,いざというときの移動手段が増えます。
路線バスは田辺からなので,1時間に1本ぐらいはあります。
バス時刻表(平成28年3月26日から)はこちら(PDF)です。
料金は,電車は片道16,210円(乗車券10,480円,新幹線自由席4,870円,特急自由席860円,特急料金は新幹線と連続で買うと半額になります)です。
指定席だと,新幹線が630円,特急が160円のプラスになります(平日の場合)。
ちなみに,こちらは往復割引が適用されますので,往復で買うと乗車券が少し安くなります。
路線バスは,新宮駅から熊野本宮大社までだと2,060円になります。
かかる時間は,東京駅から紀伊田辺駅までが,だいたい5時間ちょうどです。
路線バスは,新宮駅から熊野本宮大社までだと,だいたい2時間5分かかります。
まとめると,東京-熊野本宮大社までは,料金が18,270円(全部自由席),かかる時間が7時間30分ぐらいといったところです。
時間はかかりますが,バックアップ経路としてはいい感じです。
ここまで,公共交通機関だけで行く方法を考えてみました。
車を持っている or 借りるということを前提とすると,他の方法もいろいろあります。
もちろん,上4つも,車を使って路線バス部分を置き換えると少し早くなります。
特に,南紀白浜空港は駐車場無料ですので車が使いやすいです。
また,紀伊田辺駅も,くろしおで大阪まで行くと駐車料金が48時間無料になります。
ということで,車を使う方法もまだまだありますが,長くなりましたので,とりあえず“公共交通機関編”ということでいったん終わりにします。
続きはまた今度。