人の才能をもらう

自分にない才能,うらやましいと思う才能は,実は,自分の努力次第で,身につけることができます。
やみくもに自分だけで頑張っているより,目標になる人がいた方が,その姿をまねることによって,理想の自分に近づくことができます。
私が,講師として今の仕事ができるのは,恩師である水岡祥二先生のおかげです。
最初に,水岡先生の講義を聴いたときには,その面白さと,ネットワークスペシャリスト試験の奥深さに魅了されました。
講師としてデビューしてからも,何度となく講義を拝聴して,吸収できるものは全部,必死で吸収しました。
そして,やり方を学んで身につけてから,少しずつ自分オリジナルの色をつけて,講義を行っていきました。
惜しげもなく,講義を何度も聴かせてくださった先生には今も感謝しています。
もう10年以上前になりますが,当時のことを思い返してみると,最初にまねてベースをつくることで,すごく効率良く,スキルを身につけることができたと感じています。
教え方など,まったく素人でしたので,素晴らしい見本がある,ということは,とても参考になりました。
教え方などの才能を,取った,取られたという狭い世界で考えるとつまらないですが,そうやって,惜しげなく分かち合って,次の世代につなげていくと,講義の質も上がりますし,いろんな人のためになります。
今,情報処理技術者試験の対策を行っている講師仲間には,同じようにその恩恵を受けた人が大勢います。
私も,そのご恩を,次の世代に伝えていきたいな,ってすごく感じています。
科学技術などは特に,先人の知恵をベースに,新しい技術が生まれていきます。
人の才能をもらって,自分が身につけて発展させ,それを次に伝えていく,というのは,とっても楽しい連鎖です。
なんでも一人で一からやっていると,そのうち行き詰まってしまいます。
うまくいっている人に教えを請い,いいやり方を教えてもらう,というのは,かなり効率的な学習方法です。
そして,IT業界の人は,意外と「教え好き」が多いので,頼めば結構教えてくれます。
私も,聞かれればなんでも教えたくなってしまいますし。
自分一人で,行き詰まったときには,まわりのできる人を参考にしましょう。
そしてできれば,その人に教えてもらったり,その姿から学んで,自分のものにしていきましょう。