ITストラテジスト試験
わく☆すた,美月です。
最近なんか,移動が多くてバタバタしていたのですが,やっと本来の仕事場で落ち着いてます。といっても,本日はこれから,IPA主催のイベント「IPAX2009」をのぞきに行ってきます。
今日の話題は,ITストラテジスト試験についてです。
この試験は,昨年までのシステムアナリスト試験で,上級システムアドミニストレータの要素も含んで,リニューアルした試験です。難易度やステータスを考えると,この試験は,情報処理技術者試験の最高峰といっていいと思います。私も,持ってる資格を何か一つだけ書く,という場面になったら,システムアナリストを書いてます。
ITストラテジストの対象者像や役割と業務などはIPAのホームページに載っています。
今までとの主な違いは,サンプル問題を見る限りは,以下の3つです。
- 業種ごとの事業特性を反映し情報技術を活用した事業戦略の策定又は支援に関すること,
- 業種ごとの事業特性を反映した個別システム化構想・計画の策定に関すること
- 組込システムの企画,開発計画の策定・推進に関すること
単に情報戦略,ということではなく,業務知識などを活用して,業界の現状を把握しながら業種ごとに事業戦略を考えるようにする,という観点が求められるようになります。また,試験制度改定により多くの試験区分に含まれていますが,組込システムに関する問題が加わっていて,午後1,午後2で各1問ぐらいは出てくると予想されます。
あと,細かい話だと,これは論文試験全般に言える話ですが,論文の字数が変更になっています。今までだと,設問ウは付け足しぐらいで良かったのですが,明確に「600字以上1,200字以内」と示されたことで,きちんとひとまとまりの文章を考える必要が出てきています。このあたりは,以前の試験区分で受けてきた人は,練習して慣れておく必要があります。
全体としては,範囲は広がっていますし,全体戦略的な視点が求められるのだとは思います。学習内容としては,午前,午後別に見ていくと,以下のとおりです。
午前1は,他の高度区分と同一ですので,幅広い範囲の学習が求められます。
午前2は,ストラテジ系のみの出題です。範囲は,システム戦略,経営戦略,企業と法務のみになります。技術力でのカバーはまったく効かなくなったので,きちんと経営関係について勉強しておく必要は出てきています。
午後1は,業界の事情を読み取って答える必要がありますので,読解力はそれなりに高度なものが要求されます。ただ,基本的に問題文の業界の状況に合わせて答えますので,事前知識としては,経営戦略の基礎的な理解があれば十分だと思います。
午後2が,この試験では合否を分けるポイントです。ただ論文を書く,というだけでなく,「ITストラテジストの立場で」「問題文の状況に合わせて」論文を書いていく,という,高い視点と臨機応変さが必要になります。
午後2の論文の難しさは,情報処理技術者試験では一番だと思います。何となく書いていると,つい開発者の立場になってしまいがちになる人が多いのですが,それでは合格できません。ですので,論文試験に合格したことのない方の受験は,おすすめしません。まず,論文の書き方をマスターしてからの方が,結果的に近道になると思います。論文試験に未合格の方は,システムアーキテクトかITサービスマネージャの受験をおすすめします。
一気には行きづらいと思いますので,一歩一歩,レベルアップしていった方が確実です。
最終的なゴールとして,取るとステータスになる,という意味では,ITストラテジストは一番おすすめの資格です。