データベーススペシャリストのポイントは,基礎理論とER図
今回,春向けの対策を,データベーススペシャリストに限っては,11月からスタートします。
「スタートアップセミナー 合格への道しるべ」はあさって11月10日(木)に開催しますし,「データベーススペシャリスト対策+平成23年春過去問解説 5回コース」は,11月27日(土)のスタートです。
データベーススペシャリストの試験は,知識の量はとても少ないのですが,「ただ知って,理解しているだけ」では合格できません。ちゃんと,「腑に落ちて使える」ようになるまで,演習を繰り返す必要があります。
データベーススペシャリスト試験合格のポイントは基礎理論とER図の2つです。
正規化を中心とした基礎理論をしっかり理解して使いこなし,ER図が2時間で書けるようになるには,ある程度の慣れと演習が不可欠です。特に午後2は,2時間でなんとか合格点のとれるER図を書けるようになるというのは,かなり敷居が高いです。
データベース,特に試験で出てくる関係データベースの理論は,数学理論です。
ですので,人間の感覚で適当にやっていると間違えますし,すごく論理的に,答えを導き出す必要が出てきます。
候補キーの考え方を理解して,候補キーを間違いなく選び出せるようになるにも,ある程度時間がかかると思います。
そして,大量の午後2の文章を読んで,ER図に落とし込んでいく作業にも,熟練が必要です。
1つ1つのんびり考えながらだと,全然時間が足りなくなると思います。
そして,こちらも理詰めで考える必要があるので,人間の感覚でなんとなくやっていると,肝心なところで間違えてしまいます。
常識的な考え方の転換が求められて,それを身に付けるために練習が必要なのが,データベースの理論なのです。
ですので,とても頭がよかったり,再受験を繰り返していて慣れている方は遅くてもいいですが,通常は早く勉強を始めるのがベストです。
データベースの場合,「あ,わかった!」と感じられるレベルに行くまでに結構時間がかかりますし,どれくらいかかるのかは人によって違うので,早くからやった方が確実です。
そして,わかってしまえば合格できる,そんな,「勉強がしっかり報われる」ところも,データベーススペシャリスト試験の勉強にはあります。
楽して受かる道,何もしないで受かる方法,というのはないですが,きちんと勉強して,できるようになれば合格,というゴールがはっきりしていることも特徴です。
そして,データベーススペシャリスト試験の勉強は,設計の根本的なところの学習ですので,実は実務にとても役に立ちます。きちんと正規化を理解して,その上で非正規化しているテーブル構造と,ただなんとなく分けているテーブルでは,不具合の出にくさやパフォーマンスなど,いろんな面で大きな差が出てきます。
「WEB+DB PRESS Vol.65」の「Webサービスとデータモデリング」のコラムで,データモデリングの勉強方法として,「データベーススペシャリスト試験」が勧められています。
このコラムには,「合格点を取れれば良いと考えるのではなく,解説を熟読してなぜこのようなモデルが適切なのかを理解することが大切」ということが書いてあります。実務に役立てるという視点でのデータベーススペシャリストの勉強は,とても大切です。
ただ,個人的には,ちゃんとデータモデルが理解できていないと,データベーススペシャリスト試験は合格できないので,ただ合格点が取れれば良い,という薄い勉強では合格は無理だと感じています。
データベーススペシャリスト試験ほど,「理解する」と「できる(受かる)」との間に距離がある試験も少ないと思います。なるべく早めにスタートを切って,着実に演習を続けていきましょう。