株式会社わくわくスタディワールド

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手を抜くところときっちり押さえるところを見極める

情報処理技術者試験に限らず,大体の試験には,その合否を分ける「勘所」が存在します。
そこを押さえないと合格できないけど,そこさえ押さえれば合格にぐっと近づく,そんなポイントです。
試験には本来,その目的があって,そこがポイントになります。
「試験範囲を全部,完璧に覚えていること」なんて試験は,めったにありません。
小学校の漢字書き取りとか九九のテストぐらいの,全部知っておかないとその後の人生に支障があるようなものぐらいです。
例えば,データベーススペシャリスト試験の場合,試験の目的などは,試験センターの「データベーススペシャリスト試験(DB)」にあります。
そして,試験問題を見る限り,データベーススペシャリスト試験で一番合否を分けるポイントは,3.期待する技術水準(3)にある,

 「データモデリング技法を理解し、利用者の要求に基づいてデータ分析を行い、
  正確な概念データモデルを作成できる。」

ことだと感じています。
これは,できないけど合格した,と言う人は聞いたことがありませんし,一番の難関である午後2で,メインで出題されるポイントです。
そして,その概念データモデル作成でも,「重要なポイントとなる線(リレーションシップ)」というのが存在します。
そういうのは,大体採点講評に書いてありますので,見てみると,「これが大事なんだ」ということが分かります。
例えば,概念データモデルだけで作成されたDB平成23年午後2問2採点講評には,
「“発送”を参照するリレーションシップ,“出庫”のサブタイプと“入庫”のサブタイプ間の一対一対応のリレーションシップ」と,はっきり特定のリレーションシップが取り上げられています。
実際に問題を解いてみても,この線は大切な線で,そこにちゃんと気づけるかどうか,というあたりが,合否ラインを分けるポイントになると思います。
逆に言うと,それ以外の細かい線や,難易度が高すぎて容易には引けない線などは,書けてなくても合格できる可能性は高いです。
また,概念データモデル(ER図)がちゃんと書けていれば,関係スキーマは属性が不十分な点が多くても,合格しやすい感じがしています。
よく,合格者の方から,「全部は書き切れなかったけど,ポイントだと思うとこだけはしっかり書いた」といわれるのを聞きます。
そのポイントを見極められるレベルになっていることが,一番大切ですね。
逆に,全部やり切れないんだったら,ポイントではない部分は,少し手を抜く,というのはありだと考えています。
データベーススペシャリストの場合は,SQLとDBMSは,午前2が突破できるぐらい勉強しておけば,それほど力を入れる必要はないのかな,と感じています。
あと,手を抜くと問題があるところとして,高度区分共通に言えるのは,高度共通午前1です。
ここは,「これくらいで大丈夫だろう」と,適当にすませると,結構痛い目にみることが多いのです。
「午前1,17/30で落ちた・・・」という声は,かなりよく聞きます。
30問ですが,元の試験範囲が広いので,受ける人は一度しっかり学習しておくことが大切です。
逆に,そんなに意識してやらなくてもいいのかな,と感じているのは,午前2です。
特に,情報セキュリティスペシャリストやネットワークスペシャリストの午前2は,午後が突破できる実力があれば,普通は大丈夫です。
先日,情報セキュリティスペシャリストの講義で,「午前1免除なんですけど,午前問題集を買って勉強する必要がありますか?」と聞かれました。
そこまでやる必要は特にないですし,過去問演習ぐらいで十分です。そのヒマがあったら,午後問題の演習をして,その過程で知識を身につけた方が,合格に近づくと思います。
いずれの高度区分でも,合否を分けるのは午後試験であり,特に,午後2がちゃんと解ける,または論文が書けるようになることが一番の合格へのハードルです。
きっちり押さえるところは押さえて,合格に近づいていきましょう。