株式会社わくわくスタディワールド

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仕事や試験に必要なコミュニケーション

小学生の頃から,私は,友達があまりいませんでした。
いじめられる,というよりは,まわりから浮いて孤立する,という感じのことが多かったです。
そのため,休憩時間には図書館にこもって本を読む,という生活が定番でした。
勉強が得意だったのも,友達がいなくって,本を読んだり勉強する時間が十分にあったから,というのも大きいなぁ,と感じてます。
そんな私が結構共感しながら読んでる,お気に入りのライトノベルは,「僕は友達が少ない」だったりします。
なにげに,「授業で2人組を作った時に,最後に余る」「教室移動などの連絡事項を,誰からも教えてもらえない」など,細かいエピソードがいかにもあるあるネタ満載で,微妙に昔のトラウマを刺激します。^^;
東大生が読む文庫本の1位にもなったことがあって,アニメ化もされてる,略称「はがない」。
役にはまったく立たないとは思いますが,共感できる方は息抜きにどうぞ。^^
ということで,正直,「みんなと仲良くする」ためのコミュニケーションは今でもあんまり得意ではないです。
ただ,仕事や試験で必要な「コミュニケーション」は,こういった,学校での,「みんなと仲良くする」「友達を作る」ためのコミュニケーションとはちょっと違います。
映画監督の押井守さんの「コミュニケーションは、要らない」では,コミュニケーションには,二つの側面がある,ということが書かれています。
それは,「現状を維持するためのコミュニケーション」と,「異質なものとつきあうためのコミュニケーション」です。
「現状を維持するためのコミュニケーション」は,いわゆるおつきあいで,仲良くするためのコミュニケーションです。
こちらは,言葉の中身よりも,相手に敵意がないことや,うまくなれ合って雰囲気をよくすることが重視されます。
学校づきあい,会社づきあいなどで必要とされる能力です。
そして,「異質なものとつきあうためのコミュニケーション」は,相手を理解するためのコミュニケーションです。
議論をしたり,落としどころを見つけたりして,相手と新たな関係を築きます。
こちらは,言葉をちゃんと考えて選び,論理的に話を進める必要があります。
仕事だと,時と場合によって,重視されるコミュニケーションは違うと思います。
社内で上司に気に入られたり,プロジェクトでみんなを仲良くさせるためには,前者の「現状を維持するためのコミュニケーション」が大切です。
でも,違う会社や国の人と一緒に仕事をする場合や,論理的に考える必要がある複雑な仕事の場合には,後者の「異質なものとつきあうためのコミュニケーション」が必要になってきます。
会話するだけではなく,文章に残す,図にするなどを行い,あいまいさをなくしていくことも大切です。
そして,試験に必要なコミュニケーションというのは,後者の「異質なものとつきあうためのコミュニケーション」の方です。
問題文を正確に読み取って,論理的に考えて,妥当な案を文章で表現します。
このコミュニケーションでは,思考を停止せず,自分の頭で考えることが大切になってきます。
なんとなく雰囲気で流されるのではなく,論理的に考えて,相手の考えていることをきちんと考えて解答を導き出す,そのためのコミュニケーションが必要なのです。
試験の場合,仲良くするためのコミュニケーションはまったく通用しません。
試験で,「よろしくお願いします。合格させてください。」とさわやかに挨拶しても意味ないですし,できる人の機嫌をとって,代わりにやってもらうこともできません。
今までの経験上,会社では出世しそうな,お世辞と世渡りがうまいタイプの人は,試験では苦戦する傾向があります。
特に,論文などが支離滅裂なことが多く,「勢いとはったりは,試験では全然効かないんだなぁ」と,改めて書くことの重要性を感じたりすることがよくあります。
逆に,愛想は悪いですが仕事はしっかりする,というタイプの人は,試験には受かりやすいです。
「異質なものとつきあうためのコミュニケーション」は,意識することで,かなり向上させることができます。
論理的に考える訓練,文章を正確に読み取る訓練をするなどは,ちゃんと勉強しさえすれば身につけることができます。
人付き合いに必要なコミュニケーションと,試験に必要なコミュニケーションは,似ているようで結構違います。
その違いを意識しつつ,少しずつ能力を磨いていきましょう。