株式会社わくわくスタディワールド

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「正しいこと」にこだわらない

高校生の頃までは,世の中には「絶対的な正解」があるものだと信じていました。
そして,それは大学に入ると揺らぎだし,大学院生の頃には,完全に打ち砕かれていました。
「正しいと言われていることは,まず疑ってみる」のは,科学者としての基本的な考え方です。
実際,社会では一般常識で言われていることで,科学的には違う,ということはいっぱいあります。
例えば,「すべてのものには寿命がある」という風に一般的には考えられているようですが,大腸菌などの単細胞生物や,動物以外の多くの生物では寿命はありません。
そして,寿命の意義などは,まだまだ論争中で,決まった答えはありません。

そんな感じで,最先端に行けばいくほど,「正しいこと」はなく,「わかってないこと」だらけになります。
99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」という本がありますが,ホントに,世の中で言われていることの99・9%ぐらいは仮説だと思います。
だからといって,「100%正しいこと」にこだわっていると何も進みません。
そのため,実用的で役に立つ知識は,ある程度あいまいであっても,それを定説,ということについてまとめます。
情報技術は,そんな感じの,「知っていると役立つ仮説」の寄せ集めです。
分野的には,基礎理論あたりは数学がベースになっているので,「正解」が比較的決めやすいのですが,マネジメント系になると,正解を決めることが難しくなります。
そこで,「こういうふうにやったらうまくいった」という「妥当な解」を「ベストプラクティス」ということでまとめます。
PMBOKやITILは,そういったベストプラクティスの集まりです。
試験勉強では,「正しいこと」にこだわって勉強すると,すぐに行き詰まります。
どうしても,「わからないこと」「あいまいなこと」が登場してくるからです。
試験問題の解釈だって人によって違いますし,正解だと思っていたことがミスである可能性もあります。
ですので,ある程度割り切って,わからないことはわからないままにしておくといいと思います。
そのうちわかってくるかもしれませんし,「わからないこと」それ自体が正解かもしれません。
あまり「正しいこと」にこだわらず,役に立つ知識を身につけていきましょう。