1回で合格しなくてもいい
大事なことなのでもう一度言いますね。
秋の情報処理技術者試験の受験票は,10月6日(土)に発送されていますので,通常ならもう,お手元に届いているはずです。
試験センターの「受験票に関する注意事項など(平成24年度秋期)」によると,受験票が未着などの場合の問合せ期間は,本日10月16日(火)までですので,届いていない方は急いでご連絡ください。
情報処理技術者試験は,当日は受験票がないと,どんな理由があっても受験できませんので,ご注意ください。
というところで,試験まであと5日と,だいぶん迫ってきました。
この時期で,一夜漬けが効いて得点アップが見込めるのは午前試験ぐらいだと思います。
午前,特に高度区分の午前2が危なそう,という方は今から過去問演習をしっかりやることで,大幅な得点アップは見込めるとは思います。
ただ,高度区分の場合,合否を分けるのは午後ですので,午後の点数をアップできるように対策をとることの方が大切だとは思います。
追い込みを頑張っている人には水を差すような話ですが,高度区分の場合,直前に用語を暗記したり,サプリや合格テクニックを覚えたところで,合格できるわけではありません。
特に,最近はそういった「付け焼き刃のテクニック」が通用しないような問題に変わってきていますので,下手なテクニックはかえって点数を落とすこともあると思います。
明らかに合格は難しそう,と感じている時に個人的におすすめしたいのは,「次の試験を偵察,模擬試験として受けに行く」ことです。
受かりそうにないから欠席する,というよりは,次につながりますし,これをやって次の年に受かったという人は,結構多いのです。
私自身,最初のネットワークスペシャリスト受験時は勉強不足で受けて,全然合格ラインには到達しませんでした。
ただ,そこで悪戦苦闘してみた経験から,「頑張れば来年はいけそう」という感触もつかめましたし,方向性も見えてきました。
過去問演習を行うというのと,本番の緊張した環境で受けるというのは,同じ問題を解いていても,得られるものが全然違います。
試験会場だと,集中して自分の全力を出しますので,合格までの距離がつかみやすいのです。
といっても,全然勉強せずにいくと,「ただただわけがわからなかった」ということになりがちです。
できる限りの基礎知識を身につけ,過去問も1度は解いてみてから受験するのがおすすめです。
そうすると,「自分が使った参考書が本番に役立つかどうか」も判定できると思います。
個人的な体験だと,私がネットワークスペシャリストの最初の受験時に使用した参考書は,やたらと数式のいっぱい載った,待ち行列や呼損率なんかの計算が中心のものでした。「わけわかんない」と思いつつパラパラと眺めていたのですが,本番で実際に出てきたものはWebサーバの構築に関する問題でした。
ちょうどインターネットがブームになった頃で出題傾向が変わりつつあった時だったこともあり,参考書が時代遅れになりがちな時代でもありました。でも,「あれ?参考書と全然出題傾向が違う」ということに気づくことができたことは,次の年の勉強にすごく役立ちました。
私の最近の感覚だと,出題傾向や考え方が一番大きく変わりつつあるのが,情報セキュリティスペシャリストだと感じています。ですので,出版年月が去年以前だったり,古めの内容の参考書で今回受けに行くと,私が味わったような「出題傾向が違う」体験をすることができるかもしれません。
情報処理技術者試験のすべての試験に,1回で合格したという人は聞いたことがありません。
全区分制覇している人でも,何度も落ちながら試行錯誤しているのが現状です。
最終的に合格するなら,別に1回で合格しなくてもいいと思います。
ただ,あきらめて試験を受けに行かない,ということを続けてしまうと,その先もずーっと合格できない,ということにもなりがちです。「試験を受けに行く」ということは,合格につなげるためにもとても大切なことだと感じています。
あと5日でできることにベストを尽くして,本番を迎えていきましょう。