マルチスキルを身につける

ITProに,「今後のITエンジニアに求められるのは専門特化より「マルチスキル」」という記事があります。
この記事によると,これからの時代,専門だけ知っているよりも,様々な分野を幅広くわかっている人の方が求められるそうです。
以前私も,「マルチスペシャリストになる」の記事で書きましたが,いろいろな分野の知識を身につけることは,知識の幅を広げる意味でも,キャリアアップの意味でも,今後は大切になってくると思います。
情報処理技術者試験の勉強は,いろんな専門分野に対応していますので,複数の区分を受けることで,マルチスキルを身につけるのにはとても役に立つと思います。
情報処理技術者試験の高度区分に出てくる内容は,実はものすごくレベルが高いものというわけではなく,「その道の専門家なら誰でも身につけておいてほしい」レベルです。ですので,専門家以外の人が受けて合格すると,その専門分野のひととおりの知識を身につけることができますので,仕事の幅を広げることにつながります。
もちろん,幅を広げる以前に,基本的な自分の専門はしっかり学習する必要があります。
そのため,昨日「開発者に近い試験と遠い試験」で書いたように,自分のキャリアパスに合わせた王道の試験区分の勉強は基本です。
それらを勉強して,自分の専門を固めた上で,マルチスキルを身につけるといいと思います。
マルチスキルとして使える例を,いくつか考えてみます。
先ほどの記事にもありました,「クラウドコンピューティング」に対応したスキル,ということになると,システム開発に加えて,ネットワークや仮想化の知識が必須になります。
そのために,システムアーキテクトなどの王道の開発者の資格に加えて,ネットワークスペシャリストの勉強をすると,幅は広がります。
さらに,データベースはRDB以外も使いますので,データベーススペシャリストの内容に加えて,試験ではあまり出てこない,NoSQLなどのRDB以外のデータベースについても知っておくといいと思います。
それ以外だと,ステップアップするときにあるといいのが,経営関連のスキルです。
ITの技術をもとにコンサルタントをやる場合や,経営に関わってくるときには,経営関連のスキルや考え方は重要です。
ITストラテジストの勉強をしつつ,経営の知識を補うというのが,使える知識をつけるのに役立つと思います。
その他では,中小企業診断士を受けてみるのもいいかもしれません。
直接役に立つと言うわけではないですが,一番幅を広げる勉強としては,組込み関連があります。
エンベデッドシステムスペシャリストの勉強をすると,全然違う世界を知ることができるので,すごく幅が広がると思います。
ついでに,小さい頃に楽しんでやっていた電子工作などを思い出して,幸せな気分になれるかもしれません。
いずれにしても,「あるスキルを身につけさえすれば一生安泰」という時代は終わりました。
複数のスキルを視野に入れつつ,いろいろ学習していきましょう。