やることをやれば受かる
わく☆すた,美月です。
情報処理技術者試験は,ITパスポートを除けば,合格率が結構低い試験です。
基本情報技術者試験でも20%代ですし,全くの初心者がちょっと受けて受かる,という感じではありません。試験制度が変わって初級シスアドがなくなったおかげで,ITパスポートと基本情報技術者の間のハードルが,かなり高くなったように感じています。
ただ,全体的な合格率は低くっても,個々の試験(午前,午前1,午前2,午後,午後1,午後2)の合格率は,それほど低くありません。
平成21年度の,それぞれの試験の合格率は,以下のとおりになっています。
基本情報技術者(FE) 27.4%
応用情報技術者(AP) 26.1%
データベーススペシャリスト(DB) 16.1%
情報セキュリティスペシャリスト(SC) 16.0%
エンベデッドシステムスペシャリスト(ES) 16.9%
システム監査技術者(AU) 13.9%
プロジェクトマネージャ(PM) 12.7%
応用情報技術者試験が予想外に高いことを除くと,大体難易度順に合格率が変わっています。論文試験はそれなりに敷居が高いようです。ただ,だからといって,論文を書くのが難しいのか,というと,実はそうでもありません。
統計資料をもとに計算すると,個々の試験の合格率は,実はこんな感じになっています。
FE 午前 50.7% 午後 34.3% (FE午後は,午前不合格者も含む)
AP 午前 54.2% 午後 48.7%
DB 午前1 83.6% 午前2 95.3% 午後1 45.9% 午後2 45.3%
SC 午前1 77.2% 午前2 88.8% 午後1 47.3% 午後2 51.3%
ES 午前1 78.8% 午前2 91.1% 午後1 39.4% 午後2 60.1%
AU 午前1 84.4% 午前2 97.2% 午後1 40.0% 午後2 44.9%
PM 午前1 79.2% 午前2 96.3% 午後1 39.0% 午後2 45.5%
この数字から,いろいろわかることがあります。
まず,高度試験での,午後1と午後2の突破率の話です。
これは実は,昔から大体同じ傾向なのですが,高度試験では,午後2で落ちる人より,午後1で落ちる人の方が,実ははるかに多いです。午後2は,午後1に受かった人しか採点されない,ということはもちろんあるのですが,大体の場合,午後1より午後2の方が突破率は高いです。
だから,午後2は簡単,というわけではもちろんありません。
ただ,午後1というのが,意外と敷居が高いことは頭に入れておいて欲しいと思います。
論文試験などでは特に,論文にばかり気を取られていて,午後1で足を切られる人が結構多いです。
午後1は,その試験区分で必要な内容を理解していることが問われますので,ある意味とてもオーソドックスです。知識を身につけて,勉強すべきことをちゃんとやれば,ほとんどの場合は突破できます。国語力など,基礎力が問われるのは午後2の方なので,午後1で足切り,は単に知識不足,勉強不足が原因なことが大半です。ひととおり過去問をやってみて,形式に慣れることも必要になります。
論文は,「A,B,C,Dの4段階でA評価でないと合格できない」と考えると,とっても敷居が高いような気がしますが,実際にはA評価の人数が一番多く,4割以上はA評価です。(ちなみに,一番人数が少ないのはC評価です)
ちゃんと,基本を押さえ,書くべきことを書いてあれば,そんなにすごい文章が書けなくても合格します。
あと,これはすべての試験区分に言えることですが,個々の試験の突破率は,最低でも3割以上はありますし,大体半分ぐらいは突破できます。なので,試験ではものすごくできる必要はありません。高度試験でも,6割以上の正答率を,4回積み重ねていけば合格できるのです。突き詰めて,完璧にできるようにする必要はありません。
ということで,情報処理技術者試験の勉強は,「気楽に,でもやることはちゃんとやる」という姿勢で十分です。
肩の力を抜いて,歩みを止めず進んで行きましょう。