ツールを使いこなす
わく☆すた,美月です。
今日,フリーソフトの「Devas」をインストールして使ってみました。このソフトは,テキストを検索して置換するだけといえばだけなのですが,複数ファイルからテキストを検索して,一括置換してくれるのでとっても便利です。Unix使ってる分にはsedやawkを適当に使えばできることですが,Windowsだとなかなか簡単にできなくって,ちょっと悩んでいたのですが,ソフトで一発解決しました。使い勝手もいいので,結構おすすめです。
というところで今日は,意外と大切な「ツールを使いこなす」という技術のお話です。
業務で使ってると当たり前のように使いこなせるようになるソフトウェアのツール。フリーウェアから有料のものまでいろいろありますが,うまく使いこなせると,効率は格段に上がります。昔,私は「viの魔術師」と呼ばれたことがあるのですが,正規表現などで高度な検索,置換がこなせると,ソースコードの修正などは「あっ」という間に終わることも多いです。(下手にやると直すのが大変ですが。^^;)
先日,知り合いでホームページを作っている方が,「ATOKの単語登録に,<HTML>とか<BR>とか登録している」というのを聞いて,さすがにそれは開発環境を使った方が早いのでは。。。とアドバイスしました。Dreamweaverまで入れなくても,Eclipseのプラグインで,タグを補完してくれるものがあります。
友人のJavaのエキスパートの方が,「ツールを使えるものはちゃんと使わないとダメ。人間がやろうとするとミスを作り込む」とよく言われます。開発ツールは,途中まで書くと補完してくれますし,間違えると赤字で教えてくれます。ツールを使うことで,昔に比べるとずいぶん開発効率や品質は向上したな,と感じています。
IT関連の業務において,ツールを適切に使いこなすことは不可欠です。
で,これだけで終わったら,「ツールは大事なんだね」で終わりなんですが,実はこれ,情報処理技術者試験に結構出てきます。
先ほどの「Devas」などで検索,置換に使う「正規表現」は,午前の基礎理論分野では定番の問題ですし,使いこなしていると問題を解くのは簡単になります。
午後問題での典型的な例は,平成18年秋ソフトウェア開発技術者試験午後1問2。
ソフトウェアの構成管理に関する問題で,「構成管理ツール」を使用します。構成管理ソフトとは,ソースコードのバージョン管理などを行うソフトで,ソースコードの修正を行う時に,チェックアウトしてファイルをコピーし,修正が終わったらチェックインしてファイルを更新します。
この問で出題されたのは,その「チェックアウト」「チェックイン」という用語や,構成管理ソフトを使ってできること。現場でCVSなどを使ったことがあると当たり前の知識なのですが,意外と答えられない人が多かったようです。この問題のコメントには,チェックイン,チェックアウトは「正答率が低かった」と書かれています。
そういえば,「そんなの,参考書に載ってない」と言っていた人もいましたし,「問題文に書いてないのにこんなの答えられるわけがない」と怒っていた先生もいました。こういうのを答えるためには,参考書での勉強とは別の勉強(経験も含む)が必要です。
今春の午前1問7(リンクはYouTube)でも,ソフトウェアに関して出題されています。
DNSサーバを立てるソフトはBIND,Webサーバを立てる時のソフトはApacheというのは,当たり前のような気もしますが,参考書には書いてない知識です。
ネットワークスペシャリスト試験を受ける人は,一度BINDの設定をしてみるととっても役に立ちますし,サーバを立ててみるのはとってもおすすめです。他の試験区分でも,ソフトウェアを使ってみる体験というのは,いろんな場面で役立つと思います。情報処理技術者試験は,さりげなく年々新しくなっていて,実際に使われている技術がどんどん出題されています。
いろいろやってみるのは,普通に勉強するより楽しいと思いますし,手を動かして手に入れた知識は身につけやすいです。まずは,「今の仕事をより楽にするツール」ぐらいから,試してみてください。