午後の問題選択の方針を決めておく

よく,研修などで「午後の問題,どのように選んだらいいですか?」ということが聞かれます。
試験区分ごとに細かい違いはありますし,そもそも選択の余地のない試験区分もありますが,基本的な考え方としては,
何を選ぶかは決めておかなくていいけど,選ぶ方針は決めておく
のが大事です。
実際,ある程度決めておかないと,迷ってる間に時間が経ってしまい,焦ることになります。
特に午後の場合,時間が足りない人は多いと思いますので,ある程度選択の方針を決めておいて,5分以内ぐらいには選べるようにしておくといいと思います。
そして,問題選択を悩む前の大前提としては,過去問をひととおり解いてみることは大切です。
でないと,その試験に何が出てくるのかわかりませんし,方針の立てようもありません。
傾向を見るだけなら,3期分ぐらいの問題をざっとみて,1期分をひととおり解いてみるぐらいでいいと思います。
そこで,傾向と自分の得手不得手を考えた上で,問題を選ぶ共通のポイントは,次の3つです。
1.自分が勉強,経験した分野を選ぶ
2.書いてあることがちゃんと読めて,「誤解語」が少ない問題を選ぶ
3.穴埋めではなく,「最後の方の設問」が解けそうな問題を選ぶ
情報処理技術者試験の問題が選択問題なのは,「さまざまな経験を積んできている人がいるから,そのための選択肢を増やす」ためです。
ですので,自分の経験や勉強内容に合わせて選ぶのが基本です。
そして,誤解語とは,読んでもわからない言葉で,これがあると問題文を誤読しやすくなります。
わからない言葉がいっぱいある問題は,よっぽどのことがない場合は避けるのが賢明です。
もちろん,勉強するときには,この誤解語をなくすためにあえて解いてみて調べることは大切です。
あと,問題をなんとなく選ぶ時には,「空欄」に目がいきがちです。人間はどうしても足りていない部分には注目しますので,穴埋めができたかどうかは,すごく気になると思います。
でも,特に高度区分では,穴埋めの比重は少ないですし,点数も少なめです。
大切なのは記述式の設問,それも最後の方のまとめ的な問題の方がより重要です。
選ぶ時には穴埋めだけでなく,設問にひととおり目を通してみましょう。
そして,それを踏まえた上で,試験区分別(グループ別)の問題選択の指針です。
A.応用情報技術者と基本情報技術者
この2区分の問題選択は,試験の前にあらかじめほとんど決めておくのが基本です。
応用情報技術者だったら問1と問2をどちらを選ぶか,基本情報技術者だったらプログラミング言語をどうするかは,あらかじめ決めておいて,重点的に勉強する必要があります。
それ以外の選択分野は,できれば1つか2つ多めに勉強しておいて,当日の選択で決めると確実です。
もともと決めていた問題が,解いてみてやたらと難しかった場合には,早めに予備の問題に変更します。
マネジメント系3区分は特に,難易度の差が大きいので,これを解くことに決めているとリスクが大きいです。
B.情報セキュリティスペシャリスト
午後1:
だいたい,問1はセキュアプログラミングなので,これは選ぶか最初から避けるか,決めておくといいと思います。(多くの人は避けます。)
そして,問2から問4のどこかで,マネジメントが中心の問題がありますので,これも選ぶかどうかは決めておくといいです。(多くの人は選びます。)
あとの2問は,出てくる技術によって,選ぶかどうかを決めればいいと思います。
午後2:
傾向としては,問1は新技術系の問題(テクノロジ寄り),問2はオーソドックスな問題(マネジメント寄り)が多いです。
といっても,そんなに決まっているわけではないので,問題を見て解けそうな方でいいと思います。
時間はあまるので,途中まで解いて失敗したと思ったら,変えればOKです。
よく模擬試験などでは,問1を半分ぐらいまで解いてやめて,問2を解いた,という感じで,途中から変更している答案をよく見かけます。
C.データベーススペシャリストとエンベデッドシステムスペシャリスト
この2区分は,あまり選択の余地はないというか,事前に決めておく人が普通だと思います。
データベーススペシャリストなら午後1は問1と問2,午後2は問2という人が基本で,DBMSやSQLが得意ならそれ以外を選ぶ,というぐらいです。
エンベデッドシステムスペシャリストは,ソフト系なら午後1は問1と問2,午後2は問2ですし,ハード系ならその逆というだけです。
こちらは,2つの試験が同居しているぐらいの感じですので,あまり悩む必要はないです。
D.プロジェクトマネージャとシステム監査技術者
論述系の場合には,問題によってそれほど大きな差はありません。
読んでみて解きやすそう,自分の経験にあてはめやすそうな問題を選ぶ形になります。
問いくつがこの分野,みたいな明確な感じは特にないので,試験会場に行って選ぶ形にはなると思います。
午後2の論述式ではもちろん,経験や準備してきたネタにあてはまる問題を探すのが基本です。
ない場合には,なるべく当てはまることが多そう,問題文のテーマで書けそうな題材を選びます。
準備論文をごり押しするのは御法度です。
試験までもうわずかですので,今のうちに問題選択の方針は決めておいて,それを選ぶことを前提に勉強をするといいです。
残りあとわずか,ラストスパートをかけていきましょう。