私を助けてくれたネットワークスペシャリストの資格
わく☆すた,美月です。
今日,一級建築士の指導をしている友人と話していて,「独占業務がある資格はいいね」という話をしました。そうしたら,「最近は建築士の人数が増えたので取っただけでは仕事にありつけない」そうです。建築士でも,取ればいいってわけじゃないんだな,と改めて思いました。
資格は,「それを取りさえすれば人生が変わる」ものではありません。特に,情報処理技術者試験は,独占業務がない分,取りさえすれば人生が変わる,というのは残念ながらありません。
ただ,時と場合,使い方次第では,資格は大きな力になることもあります。
私の今までの人生で取得した資格の中で,一番使えたと感じるのは,やっぱり「ネットワークスペシャリスト」です。
私が,ネットワークスペシャリスト試験を受けようと思った動機は,実は「リストラされないため」という消極的なものでした。
当時私は,ベンチャー系の企業に転職して,サーバ構築やネットワーク構築などの業務を中心に行っていました。仕事の内容自体はとても楽しかったのですが,イケイケなノリの会社の雰囲気になかなかなじめずにいました。
正直なところ,私はアニメやゲームなど,オタク系の趣味的な話は大好きですが,メイクやファッション,ディスコやスキー,といったいわゆる一般的な趣味の話は苦手です。^^;
IT系の会社じゃなかったので,話についていくのが苦痛で,ちょっと孤立気味でした。
また,「流行ものを追ってる」会社だったので,安定性というのにも少し不安がありました。このままいたら,会社自体がなくなるかもしれないし,何より,働いていてあまり楽しくなかったので,自分のスキルで独立したいな,というのを漠然と考えていました。
そんな私には,「ネットワークスペシャリスト」という資格は,とても魅力的に映りました。
転職の時,「ネットワークのスキルが足りない」ってことで落とされた会社もありましたし,ネットワークのスキルを本気で身につけるというのも必要だと感じていました。
そこで,「ネットワークスペシャリスト」試験に受かろうと決意しました。
最初の年は,独学で本だけで学習して,全然歯が立ちませんでした。参考書で勉強した内容と試験問題は全然違うように感じましたし,この先どうやったら合格出来るか,まったく見当もつきませんでした。
次の年は,本気で「今年受かろう」と決意しました。
その年の5月下旬ぐらいからセミナーや勉強会にも参加しましたし,参考書や問題集,専門書もいっぱい買って,そのうち相性のあった3冊ぐらいを完璧にしました。中でも,繰り返し読んで頭に入れた,「マスタリングTCP/IP入門編」は,ネットワーク技術を理解する上で,とても役立つ本でした。
過去問は5年分ぐらい繰り返し解いて完全に理解しました。
多分,考えられるやることは全部やって,これでダメなら仕方ないと思えるぐらいはやりました。
そして,その年にネットワークスペシャリスト試験に合格しました。
実務でも,いろんなサーバを構築したり,ネットワークの管理を行ったり,いろんな経験を積むことができました。これで,何かあったとしても,実務経験+ネットワークスペシャリストの資格があれば,なにがしら仕事ができそうだ,という安心感は得られました。
なので,会社をやめてフリーでもやっていけるな,と思い,会社をやめて独立しました。
さらに,教えることに興味を持って,実際に情報処理技術者試験対策の講師を始めるときには,この「ネットワークスペシャリストを持っている」ことが,とても有利に働きました。講師を始めた年がちょうどITバブルで,ネットワークスペシャリストの受験者が7万人ぐらいいた頃なので,波に乗って初年度からいろんな会社で研修をさせていただくことができました。
そんなこんなで,ネットワークスペシャリストの資格は,私にとってとても役立った,大事な資格です。他の全区分よりも,この試験に受かったことの効果は大きかったな,という風にも感じています。
どの資格が役立つかは,人それぞれだとは思います。
ただ,自分の行きたい方向性を考えて,自分の資質や経験にあった資格を取れば,それを活かしていくことは意外と簡単にできます。
高度区分は,自分の行きたい方向と合った資格がもっとも効力を発揮します。一度,自分が「何になりたいのか」を考えて,受ける試験区分を決めていきましょう。