IPv6の学習に役立つライトノベル
先日発売されて話題だったライトノベル,「なれる! SE (9) ラクして儲かる?サービス開発」を読了しました。
表紙はこんな感じでライトノベル特有のイラスト満載な感じですが,中身はかなり技術寄りです。
というより,「これで素人ついてこれるの?」というぐらい,技術用語バリバリで,しかも結構レベルが高い内容でした。
なれる!SEシリーズは,新人のSEがいろいろ無茶な案件を振られながら,なんとか劇的に改善していく感じのドラマ性が売りの小説だと思っていたのですが,今回はサービス開発そのものの内容がメインです。
技術がわからないとあまり面白くないレベルの作品だとは感じました。
ただその分,現実的で役に立つ内容になっていて,いろいろ勉強に使えそうです。
今回のテーマは自社でサービス開発を行うことがメインですが,そのサービス開発の内容が「IPv6トランスレータ」なのです。
もともとインフラエンジニア寄りのSEが主役ですが,今回はIPv6を中心に,LB(ロードバランサ)やシャーシ型スイッチなど,ネットワーク関連の内容がいっぱい出てきます。
なぜトランスレータが必要なのか,IPv6の普及状況や導入事例など,内容もリアリティがあって,わかればかなり面白い内容です。
サービス開発の事例としても良くできている感じなので,論文でも使えそうです。
ということでこの本は特に,次のような方には役立つと思います。
1.IPv6関連を学びたいと思っているネットワークスペシャリスト受験者
2.新しいサービス開発の事例が欲しいITストラテジスト受験者
3.導入後の運用管理についての事例が欲しいITサービスマネージャ受験者
もともと,「なれる!SE 2週間でわかる?SE入門 (Kindle版)」でもTFTPが出てきたりルータの設定をしたりしてたので,ネットワークの勉強には良かったのですが,さらにレベルアップした感じです。
レベルアップしすぎて,ある程度ITに詳しい人でもついていけない部分があるような気がします。
BGP,IS-IS,10GbEインタフェース,DNS64。。。。かなり高度な話のオンパレードです。
正直,私も気楽な読み物のつもりでさらっと読み始めたら,内容が深くて理解するのに結構時間がかかりました。
技術者だったら,ストーリーだけ追って適当に読み飛ばすのではなく,しっかり理解しながら読むと勉強になっていいと思います。
もちろん娯楽小説なので,適当に読み流しても楽しめるとは思います。
勉強と遊びの境界線は実はありません。
遊びながら学ぶということができれば,それが最高です。
楽しんでやる遊びの中で,いろんな知識も身につけていきましょう。