採点講評を読み込んで,次に役立てる
本日,試験センターの解答例に,平成25年度春期試験の「応用情報技術者試験・高度試験の採点講評(午後)」が追加されました。
話題となっていた,応用情報技術者試験午後の問1設問3が完全に無視されているのは気になるところですが,試験問題がいつも完璧なわけでもないので,しょうがないかな,とも感じます。
採点講評は,読んでみると結構役立ちます。
特に,論述式の試験を受けた方は,自分の選んだ問題では,どこが採点のポイントだったのかがわかるので,見返してみるのがおすすめです。
午後2がB判定だった方は,ここに書いてあることが足りなかった場合が多いと思います。
もういちどB判定を取らないためにも,精読して具体的に足りなかった部分を理解しておくのはおすすめです。
具体的な例で行くと,例えば,私が受けたシステム監査技術者試験の午後2問1は,「システム運用業務の集約」に関する監査でした。
ここで,私は仮想化を題材に書いたのですが,だいたいこの問題を選ぶ人は,仮想化について書いた人が多かったようです。
ただ,この問題の主旨は,仮想化そのものではなくて,「システム運用業務の集約」でした。
なので,仮想化の留意点ではなく,「仮想化することによって運用業務がどうなるか」を書くことが大切だったようです。
私自身は,運用業務に合わせて「仮想化の運用管理では,物理サーバと仮想サーバの両方を監視する必要がある」とし,そのため,「特定の運用要員の負荷が増える可能性がある」点を中心に書きました。
採点講評によると,ここを間違えて,「サーバ統合の技術的な実現方法」について書いていた方が多かったようです。
これは多分,問題文の読み込み,理解が足りないんじゃないかと感じます。
「問題文に合わせる」というのは,問題文の主旨を読み取り,何を書いて欲しいのかを細かく見定める必要がありますので,このあたりはもうちょっと,練習次第で踏み込めるところだと思います。
あと,「監査手続を問う問題であったが,監査で確認すべき項目だけが述べられている場合が多く,どのような手段,方法によって確認すべきかの具体的な手続が論述できている解答は少なかった。」という記述もありました。
これは,システム監査技術者試験の採点講評に,繰り返し書かれていることです。
監査手続を聞かれたら,項目だけじゃなく,具体的な手続をちゃんと書く必要があります。
例えば,運用要員の負荷を確認するためなら,要員にヒアリングしたり,勤怠記録を確認するなどが監査手続になります。
採点講評には,採点官の「こういうことを書いて欲しかった」という想いが詰まっています。
その想いを汲み取って,「こういうことが書けるようになればいいんだな」ということを理解できれば,必ず次につながります。
特に,合格まであと一歩,という方は,午後の採点講評は結構,心に響くはずです。
もちろん,合格した方も,見ておくことで次の試験区分に活かせます。
失敗は,失敗で終わらせずに向き合った時に,次への糧になります。
過去の試験をしっかりふり返って,次につなげていきましょう。