平成22年春期試験の傾向
わく☆すた,美月です。
情報処理技術者試験の制度が改定されて,平成21年春から新試験制度で実施されています。今回まで3回実施されて,次回が4回目ですが,難易度的にも合格率的にも,まだまだ揺れ動いている感じはあります。
特に,高度午前1の難易度は,一度通過してしまえば2年間免除,と言う割には,年によって難易度の差が激しい感じです。
平成22年春期の高度午前1,応用情報午前の突破率は,統計情報から計算すると以下のようになっています。
データベーススペシャリスト 73.10 %
システム監査 72.11 %
エンベデッドシステムスペシャリスト 70.24 %
プロジェクトマネージャ 65.91 %
情報セキュリティスペシャリスト 60.12 %
応用情報技術者試験 38.55 %
高度午前1の問題30問は,応用情報技術者試験の午前問題80問のうちからピックアップされていて,特に難易度が変わらないことを考えると,この合格率の差は,試験を受験する人のレベル差によるのかな,とは思います。ただ,前回の平成21年秋期の突破率は,
ITストラテジスト 56.48 %
システムアーキテクト 50.54 %
ネットワークスペシャリスト 35.93 %
情報セキュリティスペシャリスト 36.07 %
ITサービスマネージャ 35.87 %
応用情報技術者試験 34.09 %
だったことを考えると,明らかに今年の春の方が,昨年の秋よりも突破しやすくはなっています。
前回午前1で足切りにあった人が多かった分,今年はちゃんと対策してきた人が多かった,とも考えられますが,明らかに難易度も変動していると思います。高度午前1は,受け続けるとそのうち受かりやすい年に当たる,と言う傾向もあるのかもしれません。
あと,合格率は,各回で変動がありますが,平成20年前と比べると,高いところで安定しているように感じます。
春試験の合格率,まとめるとこんな感じです。
21春 21秋 22春
AP 26.1 21.4 20.3
SC 16.0 18.5 15.3
PM 12.7 12.9
DB 16.1 15.8
ES 16.9 17.8
AU 13.9 14.3
10%を切ることはなくなりましたし。スペシャリスト系は大体15%超えです。
今後も大体これくらいの合格率で行くのかな,とは思います。
ただ,合格率が単純に難易度を表しているわけではないと思います。
今回,データベーススペシャリストの方が情報セキュリティスペシャリストよりも合格率は高いのですが,問題を見ると,明らかにデータベーススペシャリストの方が難しいと,私には感じられます。この合格率の差は,午前での足切りの差のように思います。
午前1の突破率は,データベーススペシャリストは73.10%,情報セキュリティスペシャリストは60.12%と,10%以上も開きがあります。午前1は,全く同じ問題であることを考えると,受験者層の差がかなりあるように感じます。
実際,午後だけ見ると,
データベーススペシャリスト 午後1突破率 48.85%,午後2突破率 50.16%
情報セキュリティスペシャリスト 午後1突破率 55.97%,午後2突破率 51.12%
と,情報セキュリティスペシャリストの方が高いです。
ですので,特に,情報セキュリティスペシャリストの問題が難しくなったとか,難易度が上がったというわけではないように思います。私の推測では,受験者の増加という部分を考え合わせると,高度試験を最初に受けるときに「とりあえずセキュリティ」という人が多くなったのかな,と言う風に感じています。
難易度的に受かりやすい年,受かりにくい年というのはあると思います。ただ,それはボーダーライン上の数%の話です。今から勉強するときには,確実に合格できるレベルということで,しっかり学習していきましょう。