株式会社わくわくスタディワールド

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ITパスポートの内容を完璧にする

私(美月)が主催しているサークル「情報処理技術者試験勉強会」は,今年の冬のコミックマーケット85に応募していたのですが,抽選漏れで出展できませんした。
新刊が発行できないのは残念ですが,その分はこのブログで,いろいろ書いていけばいいかな,と考えてます。
今後は,ギリギリ公開できる範囲で,言いたいこと書いちゃお,って思ってます。

先日,「【わく☆すた】今後の方針と予定について」を発表しました。コメント欄で枝葉の部分に話が集中してしまったので補足しておきますが,今回の方針変更の主な目的は,「ITの初心者に向けての有益な内容」を発信していくことです。
具体的には,ITパスポートや基本情報技術者試験を受ける人,もしくはそれ以前の一般の人向けにもコンテンツを作成していくことになります。

基礎を学習するときには,用語の丸暗記ではなく,きちんと理解しながら一つずつマスターしていくことで,それが活きた知識になります。
ただ,最近の市販されている教材は,あまりにも「ポイントを丸暗記」的なものや「上っ面だけなんとなく理解」するものが多くて,せっかく勉強してもあまり身にならないように感じています。

通常の書籍で「売れるもの」を追求するとどうしてもテクニックが先行してそうなってしまうんだと思いますが,それだと,本来の目的である「知識・技能」を身につけるというのからは外れてしまいます。
ですので,書籍以外の方法で,楽しく学べる教材が必要だと考えています。

これにはある程度,時間をかけて取り組む必要がありますので,それに注力したいというのが方向転換の理由です。
別に,論述系区分に意味がないという話ではなく,それより優先度の高いことがあるので,そちらに力を入れるというだけです。
変な誤解やレッテル貼りはされないよう,よろしくお願いいたします。

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最近,毎月ITパスポートを受験していてよく感じることがあります。
情報処理技術者試験の使い方として,一番大切なのは,「普通の人がITの基本的な勉強をして,ITパスポートレベルの知識を身につける」ことなんじゃないかと。

スマートフォンが一般に普及した現在において,ITと離れた生活をすることは難しいです。
そして,ITを使いこなすには,ある程度の基礎知識や,IT特有の考え方が必要です。
でも,現在は,なんとなく使っている人が多く,適当な,危ない使い方をしている人も目立ちます。
特に,セキュリティに関しては,基本的なことを知らないと,知らないうちに大変なことになっている場合もよくあります。

CBTのITパスポートの問題は,なにげによく考えられています。
受けた内容の詳細は言えないのですが,意外と実践的で,結構私でも考えさせられる問題が多かったりします。
昔のペーパーテストの時みたいな,過去問の丸暗記だと全然対応できません。

そして,新しい,時代に沿った内容がいっぱい出てくるので,既存の参考書だと,古くて範囲がずれているものが多いのです。
これは,何度も受けてみてはじめてわかったことではありますが,既存の参考書や通信教材の内容を完璧にしても,せいぜい700点ぐらいしかとれないんじゃないかと思います。

もちろん,600点で合格なので,合格だけを目的とするなら十分なのですが,せっかく新しい内容がいろいろ出題されているのに,それを勉強しないのはもったいないように感じています。
ITパスポートを本当に使える知識にするためには,今の現実に沿った,新しい内容を学習することが重要です。
特にセキュリティ分野は出題も増えますし,より新しいことを知ることが大切になってくるんじゃないかと思います。

あと,技術者にとっても,「ITパスポートの全分野をマスターする」ことは結構大事なんじゃないかと感じています。
業務ばかりやっていると,知識が偏りがちになりますし,視野が狭くなりがちです。
たまには基本をふり返って,いろんな分野を全体的に知るということも大切だと思います。

応用的なことを学ぶ時に,基礎を固めることは大切です。
そして,基礎を学ぶときには,7割~8割できればOKというわけではなく,「100%できるようになる」ということが実はとても大事です。
100%じゃないということは,「分かっていない分野がある」ということですし,その分かっていない分野が,応用的なことを学習するときには足を引っ張ることが多いのです。

例えば,ネットワークについてちゃんとわかってないと,セキュリティの攻撃手法などは,その原理が理解できません。
そうすると,試験では「単にこうすればいい」ということの丸暗記になってしまい,現場での臨機応変な攻撃では対処できなくなります。
データベースのパフォーマンスチューニングでは,コンピュータシステムのハードウェアの基本も大事です。

個人的には,合格ラインを900点にした,「技術者の基礎がちゃんと完全にできているかどうか」を判定するITパスポートの受験の仕方もありかな,と考えています。

高度区分の試験勉強で苦労する人を見ていると,「試験を受ける前提となる基礎」がまずできていない人が多いです。
それは,基礎学力だったりすることもあるのですが,ITパスポートレベルの部分が,ある分野ですっぽり抜け落ちている,という人も多いのです。
ITの各分野は,実は結構密接にからみあっているので,苦手分野があると後々苦労することになります。

ITパスポートの分野全部を,単に合格目標ではなく,しっかり理解しながら学習するというのはおすすめです。
一歩一歩,確実に知識を積み重ねていきましょう。